A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

「REDNEG ALLSTARS SWING-BY EDITION」プレイしました!

2024-07-19 23:58:30 | STG
 実は例大祭新刊レビュー以外にもプレイしたゲームの感想が残っているという。もうすぐ夏コミなので溜まってる感想は熱込み原稿とともにやっていきましょう。
 
 本作は「コスモドリーマー」「ライクドリーマー」を開発したサークル「あうとさいど」さんのSTG第3弾。
 特徴的なのは本作の構成。いわゆる道中をばっさりカットしてボスラッシュのみという思い切った構成になっています。ボスラッシュモードがあるSTGはたくさんありますが、ボスラッシュモードのみというSTGはなかなかありません。
 そしてキャラ系STGでボスラッシュモードのみということは、大量のキャラクターが登場するということ。本作にはたくさんの個性豊かなボスキャラクターが登場する上に自機キャラもどんどん増えていくので総キャラクター数は相当な数になります。
 しかもそれらのキャラクターはどのキャラもそれぞれに合わせた攻撃パターンを持っており、キャラクターとしての個性だけではなくSTGのボスとしての個性もしっかり確立しているのがすごいところ。
 そしてこの攻撃パターンの数についての調整も非常に上手い。本作は1プレイで10体以上のボスキャラクターと戦うことになるんですが、各ボスの攻撃パターンはラスボスを除いて2パターンに限定されています。プレイしてみるとこの2パターンというのが実に最適解だということが分かります。
 これがもし3パターンだったら1プレイの時間が間延びしたり長すぎて集中力が保てなくなってたりしたでしょうし、逆に1パターンしかなかったらプレイが物足りなくなってたりキャラクターを十分に印象付けられなかったりしたでしょう。
 また、背景やキャラクター、弾幕が非常にカラフルなのに視認性がしっかりしているのは前2作と同じ。特に敵弾の視認性が良好だとなんでミスしたかがわかりやすい→ミスしたときの納得いかなさや理不尽感がない→ミス時のストレスがない→繰り返しプレイが苦にならないという好循環が生まれています。また、このことにより「敵弾を避ける」という弾幕STGの基本的な楽しみが邪魔されないというのもいいところだと言えるでしょう。
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塚口サンサン劇場「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章・後章」見てきました!

2024-07-18 23:07:46 | 映画感想
 毎週木曜は滑り込みの日。
 というわけで今日見てきたのはこれ!
 
 
 本作に関しては原作をちらっと読んだことがある程度で詳しい内容は知りませんが、かなり独特な世界観だったのでちょっと気になってた作品。
 公開当時は結局見てなかったんですが、今回塚口で上映するというので見てみることに。
 ちなみに浅野いにお作品は「おやすみプンプン」をタイトルからファンタジー的なほのぼのマンガだと思って読んでオゲェェとなるといったおもひでがあります。この傷は私の宝です。
 さておき、恒例の待合室は現在こんな感じ。
 
 
 塚口のファッションリーダー秋山殿の装いはミニオンズ。来月辺りにはあぶデカになってるに100万ガバス。
 そして壁の方には……
 
 
 推し過ぎ。サンサン劇場はどんだけあぶデカ好きなんだよ。普通年表まで作らねえよ。
 年表には「ドラゴンボール連載開始」「ドラゴンクエストⅢ発売」などという文言が記されておりめまいがしてきます。1986年……。
 こうして年表で見てみると歴史のある作品なんですよねあぶデカ。TVシリーズもみんな見てたし金曜ロードショーで放映されると必ず見てたしなあ。
 などとノスタルジーに浸りつつ上映開始を待ちます。本作、なんだか妙に年輩の方が多かったように思います。そういう年齢層に支持されてるんだろうかこの作品。なお「お前も年配じゃねーか」とか思った人は深夜に自宅に忍び込み家中のコンセントに紙ねんどを詰め込むの刑。
 
 さて感想に行きましょうか。
 仲良しの高校3年生、小山門出と中川凰蘭ことおんたんは、クラスメイトと平凡な日常を過ごしています。しかしその3年前の8月31日、東京上空に突然巨大な飛行物体、通称「母艦」が出現。それ以来、東京ではその「母艦」の浮かぶ空、そして自衛隊と母艦から現れたと思しき宇宙人の戦闘が日常となっていたのでした。
 そんな非日常が日常となった世界には、人知れず終焉が迫っており……。
 こうした作品は「突然の出来事から日常がいきなり崩れ去る」というのがお約束でしたが、いつからか「現れた非日常がいつしか日常に覆い隠されていく」という展開が増えてきましたよね。この辺に地代というか世相の変化を感じます。いい意味でも悪い意味でも「非日常」というものに夢が見られにくくなったってことなんでしょうか。
 本作でも、宇宙人の「母艦」出現からわずか3年で日本の人々はその非日常に慣れてしまっている描写が秀逸。門出やおんたんたちが年相応に学生生活を楽しんでいる場面だからこそ、「母艦」の存在が不気味に浮かび上がるのが不安感を煽ります。
 しかし、この非日常が完全に日常に多いか隠されてしまっているかと言うとそうでもない。「母艦」は人類を直接攻撃してくるわけでもなければ、中の宇宙人たちも自衛隊に一方的に駆除されるほど脆弱。しかし「母艦」や宇宙人の存在は人類にとって脅威であることには変わりなく、人類社会は次第に、あるいは勝手に混乱していきます。このどちらか一方に傾ききらないバランス感覚がなんというか「世の中そんなに単純じゃないよなあ」といった感じです。
 いきなり終盤について触れますが、なんやかんやあって「母艦」は墜落、人類は未曾有のカタストロフを迎えるかに見えます。いや実際、作中で東京が受けた被害はカタストロフと呼ぶに十分なものだったでしょう。
 しかし世界は崩壊しきらない。なんとも中途半端な崩壊を経てなお、世界と日常が容赦なく存続していく。門出やおんたんが常々口にしていたようには世界は都合よく滅んでくれなかった、というあの結末は、いわゆるモラトリアムがモラトリアムのまま完結してはくれなかったというラストだと解釈しました。
 門出もおんたんもそれぞれ誰もが経験する、しかし彼女らにとっては頭上に浮かぶ「母艦」と同じくらいの脅威であるさまざまな悩みを持て余し、それらすべてを解決する方法として「世界の崩壊」を望みます。本作は、そんな彼女らのモラトリアムこそが崩壊するべくして崩壊した物語のような気がします。
 
 「母艦」や宇宙人に関しては、門出やおんたんが抱える「将来への漠然とした不安の象徴」として彼女らの頭上に覆いかぶさっているものであって、その正体や目的などが具体的に明かされることはないというパターンだと思ってました。
 しかし「母艦」側の事情もかなり具体的に描写されたのが意外。しかもこっちはこっちで実は大多数から侵略の名目で切り捨てられた側だということが判明。侵略者側も決して万能で超越的な力を持った存在ではないというのが「第9地区」を思い出させます。
 意思の疎通もできない宇宙人のひとりをふとしたことから匿って、彼が持っている道具を使って……というどっかで見た流れもありますが、やっぱりそれで世界を大きく変えることはできない。
 後章ではおんたんが時間軸を転移してやり直しを行っていたことが判明しますが、正直この作品のキモにあるのは、「宇宙人が攻めて来ようが時間軸を移動しようが結局世界は都合よく滅んでくれたりはしないから、いやおうなく『その後の世界』を生きていくしかない」ってポイントだと思うんですよね。だからこそ門出やおんたんのだらだらした日常生活の姿が輝くという。
 本作はいわゆるセカイ系にも見えますが、その実けっこう真っ当な青春ストーリーでもあると感じました。やはり鑑賞後に心に残ったのは日常と非日常のシーソーゲームのバランス感覚の絶妙さでしょうかね。
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第21回博麗神社例大祭戦利品レビューその12

2024-07-17 22:26:52 | 同人誌感想
 「夢現理論の臨界点」のレビュー完了には時間がかかりそうなので、というかかかるので、その11を飛ばしてその12を先に書いてしまいましょう。
 
・ヨイヤミビスケット体験版(以絵会友、tripper_room)
 全国415874854人のルーミアスキー待望のヨイヤミシリーズ第3弾「ヨイヤミビスケット」、体験版がついに登場!
 画面固定ACT、リズムゲー+アクションと来て次は何が来たかというと、今回はいわゆるヴァンサバライクなツインスティックシューター。
 主人公はもちろんルーミア。そして今回はさまざまなお菓子を武器としてステージをクリアしていく方式となっています。
 まず言及しておきたいのがコンフィグ周りの丁寧さ。
 コンシューマーゲームとPCゲーム・同人ゲームの違いはたくさんありますが、その中の大きな違いの一つが「プレイする人によって異なるコントローラーを使う」でしょう。
 今やさまざまなコンシューマーのコントローラーがPCで使えるようになってますが、それだけに特定のコントローラーがうまく動かなかったりコンフィグに不具合が出たりするもの。
 その点本作は、起動直後のコンフィグ画面にて使用しているコントローラーごとにわかりやすく動作確認ができるようになっています。
 個人的にキーコンフィグですごくいいなと思ったのがコンフィグ画面でゲーム中ののボタン・キー表記が選べるという点。
 前述の通りPCゲームや同人ゲームではそれぞれが異なるコントローラーを使用していることが多いので、ゲーム画面ではABXYだけとコントローラーは◯×△□といったようにゲームでのボタン・キー表記と使用しているコントローラーのボタン・キーが食い違うということがしばしばあるんですよね。
 これがあるとコントローラー自体は問題なく動いててもゲームプレイがスムーズにいかないことが多いんですよね。しかるに本作ではゲーム中のアイコン表記がPS系、360系、switch系の3種類用意されているのでネジコンとかよっぽど特殊なコントローラーを使ってない限りキーコンフィグで不便を感じることはないでしょう。体験版の段階でここの完成度が高いというところから期待が持てます。
 ゲーム内容については、画面写真を見たときは上記の通りヴァンサバライクだったのでゲーム内容もそれに準拠したものだと思っていましたがさにあらず。
 ベース部分は確かにヴァンサバなんですが、そのフォロワーにとどまることなくショップやステージ分岐といったさまざまな要素を盛り込んでて、きちんとフォロー元をリスペクトしつつ差別化しているのが分かります。
 特にステージが分岐するだけでなく、その間にさまざまなイベントが挟まっているのが好き。さらにイベントが発生するだけでなくそのイベントでの選択肢によってステータスが上下したり特殊なショップが出現したりするのが楽しいです。プレイしてて往年のゲームブックを読んでる気分になりました。
 ゲームシステムも最初の体験版とは思えないくらい複雑かつ重層的に組み込んであります。特に武器であるお菓子を「食べる」ことによってステータスを向上させる+デメリットとして「ねむけ」が増えるというのは斬新なシステムだと思いました。
 これだけたくさんの要素を盛り込むと重量オーバーになったり混乱したりしてゲームが破綻してしまいそうなものですが、これらのシステムがしっかりまとまっているのはさすがと言ったところ。
 そして一番すごいのが、これらのシステムはすべて「ルーミアが主人公だから」というところにしっかり根ざしているという点。ただ単にルーミアを主人公にしたというだけでなく、ルーミアだからこそこのシステムがある!というのがはっきりしているのがいい。
 また本作、ヴァンサバライクではあるもののエイムとショットの概念がある、緊急回避のドッジロールがあるといったように、ヴァンサバに比べて「積極的に動いて攻めるアクションゲーム」としての比重をかなり大きくしているのが感じられました。
 この時点でこれだけ完成度が高いなら、あとは実質細かいバランス調整だけなんじゃないの?と思ってしまうくらい遊べる体験版でした。
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第21回博麗神社例大祭戦利品レビューその11-1

2024-07-16 23:04:59 | 同人誌感想
 ここ最近マサラ上映の感想が忙しくて止まってましたが、実はまだ例大祭戦利品レビューは終わってなかったり。来月は夏コミなので一気に終わらせたいですね。
 
・東方SFアンソロジー 夢現理論の臨界点(東方SFアンソロジー製作委員会)
 シリアス、ギャグ、学パロ、特殊性癖などなどさまざまなジャンルで出ている東方二次創作ですが、本作は東方×SFに焦点を当てた32作品を収録したアンソロジー本。
 東方でSFといえばやはり秘封倶楽部のイメージが強く、実際表紙を飾っているのは秘封の二人ですが、本作には秘封に限らずさまざまな東方キャラクターによるさまざまなシチュエーション、さまざまな解釈のSFが楽しめます。
 なお、収録作品が多いので感想は数回に分けて書いていこうと思います。しかし本作、各作品の後に解説が付いてるので感想と考察の難易度はこれまで書いてきたレビューの中で随一になる気がします。泣きそう。
 
・さようなら、私の夢見た未来たち(海景優樹氏)
 個人的に見出した本作のSFテーマは「現実の不安定性」。
 こと東方の世界観では「幻想入り」という形で外の世界の影響を色濃く受けるわけですが、本作はそんな東方世界による「現実の不安定さ」を「かつて人々が想像していた『懐かしい未来世界像』」でもって表現しています。
 そう、SFはノスタルジーの側面も色濃く持っているんですよね。あり得たかも知れない、かつて空想されていた未来世界がほんの少しの間だけ現実に混入して儚く消えていくというラストには爽やかな読後感がありました。
 
・幻覚の羊(楷ノ木かえで氏)
 個人的に見出した本作のSFテーマは「自我の所在」。
 認知論的SFならこいしちゃんの出番です。本作はある銀行員と彼だけに見える幻覚の少女としてのこいしちゃんのお話。
 挿絵含めてもたった7ページの掌編にこれだけの話を収められるのか!とその技量に驚きました。こういう最後まで読んで初めて冒頭の仕掛けがわかるタイプの作品はこのくらいの短さがいちばん斬れ味が発揮できるのかも。
 人工知能という仮初の自我を使用している人間に見えた銀行員の正体が実は……というからくりを「無意識の非存在」という角度から切り込む手腕が見事。
 
・万華鏡の日(站揚巻氏)
 個人的に見出した本作のSFテーマは「超能力の見え方」。
 超能力自体はSFのテーマやガジェットとしては過去のものという感じですが、「実際にそうした超能力を持っている人物の認識」は意外にブルーオーシャンなのでは。
 本作はそんな超能力の中でも、特に「認識」に直結するさとりの読心能力にフィーチャーしたもの。さらに読心能力を「何を考えている」かではなく「相手の思考がどう見えるか」に注目して描写するのは難しかった/楽しかったと思います。これ、ビジュアル主体の媒体であるマンガではなくテキスト主体の媒体である小説だからこそ成立した作品と言えるんじゃないでしょうか。
 
・ニャア(アン・シャーリー氏)
 個人的に見出した本作のSFテーマは「認識世界の違い」。
 ある日蓮子の部屋に迷い込んできた猫。その猫はどうやら別の人物のところにも通っているようで……。
 お互いに直接顔を合わせることなく、猫を介した手紙のやり取りをする蓮子ともう一人の人物。もうひとりの人物の正体は明白ですが、だからこそ二人の手紙の多少他人行儀なやり取りが微笑ましかったです。
 そして読んでて、「この作品、どういう方向性でSF要素を盛り込んでくるんだ?」と思ってたんですが、言われてみれば「猫でSF」と来たらそりゃあ当然このネタが来るよなあ。
 この不思議な猫がきっかけで蓮子とメリーは出会うものの、この猫の不思議は解明されずというラスト、とても好き。
 
 今日はここまで。
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「ペルソナ4G」終わったの?終わってないの?

2024-07-15 23:50:53 | ゲームな話
 夏コミ原稿の息抜きにあくまでも息抜きにプレイしてます「ペルソナ4G」。
 未クリア・未コンプで止まってるゲームの中でもうそろそろ終わりだろうという空気なのでプレイしてましたがお前ラスボスじゃないんかーーーーーい。
 てっきりあれ倒したらクリアだと思ってましたがなんかその後も普通に話が続いてて困惑してます。これは長いエピローグなのかそれともまだひと悶着あるのかどっちなんだ……? 事件はすでに全部解決してて謎も残ってないはずなんだけど……。
 しかし改めて自分の積みゲーラインナップを見てみるとほんとに時間がかかるゲームばっかり溜まっててめまいがしてきます。これ死ぬまでに全部終わるのか……?
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塚口サンサン劇場「K.G.F. Chapter1&2」連続マサラ上映入坑してきました!後半戦

2024-07-14 23:25:31 | 映画感想
 興奮冷めやらぬ中で終わった「K.G.F. Chapter1」。
 しかし、俺たちの戦いはこれからだ!
 というわけで45分間の休憩時間でカレーを補充して後半戦に進みます。
 今回も、インド映画のマサラ上映の際にはおなじみの「タージマハル・エベレスト塚口店」さんの出張販売によってカレーセットをはじめとするメニューが販売されていました。
 今回食べたのはこれ!
 
 
 今回は、新しいメニューとしてK.G.Fでその知名度を爆発的に上げたであろう「パパド」が追加されていましたので食べてみることに。
 パパド(パーパド、パパドゥとも)は、wikiによればレンズマメ、ヒヨコマメ、ケツルアズキまたは米粉を原料としたインド、南アジアで食される極薄クラッカーのような食べ物。生地を薄く丸い形に伸ばして、揚げる、直火やトースターで焼く、電子レンジで温めるといった食べ方をします。
 今回食べたパパドはカリカリに揚げたもので、スパイスと塩での味付けが効いてて美味しかったです。わたくし人形使いは今回初めて食べましたがなかなか好みの食べ物でした。他の食材を包んで食べたりもするようなので、そういう食べ方もしてみたい。
 サンサン劇場がきっかけでインド映画にハマり始めたわけですが、映画だけでなくこうしたインド料理も食べる機会を提供してくれるのが塚口の面白いところ。そういえばサモサもナンカレーも塚口で食べたのが初めてだったんですよね。異文化に出会える映画館、サンサン劇場。うめうめ。
 そしてこのパパド、後半戦で大活躍することになるんですがそこは後述。
 また今回、カレー待機列とカレー食べてるときにお土産をいただきました。いつ何時でも塚口のホスピタリティはどこから狙ってくるか分かったもんじゃありません。問答無用のホスピタリティ、素晴らしい。
 短い休憩の後、人が出ていったシアター4内に再び熱気が戻ってきます。そしてやはりというか案の定というか時間が押してるとのアナウンスがありました。まあ6時間もあるからなあ……。
 場内でカレー食べてる人もいましたが、急がないとカレーのトッピングに紙吹雪が混ざってしまいます。まあこのテンションならそのまま食べてもなんも気にならない気もしますが……。
 そんな感じで館内はだんだんエネルギーに満ちてきました。刃牙で言うところの背景が歪んでるアレです。というわけで後半戦、「K.G.F. Chapter2」開始(はじめ)ッッッ!!
 
ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ(太鼓)
「ROCKING STAR YASH」
「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
 
 Chapter2、いきなりこれで始まりますからね。そして上がったテンションがここから降りてきませんからね。どうなってるの?
 いやーしかし、これもインド映画の感想では毎回書いてる気がしますが、タイトルと同等かそれ以上のインパクトで俳優の名前がどどーんとスクリーンに出てくるのを見るにつけ、インドという国における映画俳優という立場の大きさ、ひいては映画というジャンルの立ち位置というものを見せつけられる思いです。「国民的スター」という言葉の意味するところが日本とインドではまったく違うんだなあ。
 Chapter2で見事K.G.Fを手中に収めたロッキーは、隠されていた8つの鉱山の採掘に着手。莫大な富と権力を手にします。その一方で、苛烈な性格で辣腕を振るうインド首相ラミカ・センはK.G.Fの存在を知り、違法採掘を止めるべく動き出します。
 ここからの物語の盛り上がりはまさにジェットコースター的ですごい勢い。
 すごい勢いといえば、みんな大好きワナラム閣下への声援がまあすごいのなんの。閣下が出るたびにロッキーと同等の声援が客席からぶち上がってました。特に今回はお隣の方が明らかにワナラム閣下推しで、もはや物理的圧力すら伴ったその愛の前ににわたくし潰れまんじゅう。
 応援上映やマサラ上映で楽しいのはもちろん自分の好きを叫ぶことですが、同時に他の人の好きを味わうのも好きなんですよね。
 Chapter1がロッキーに焦点を当ててその半生と彼がいかにしてK.G.Fを支配してきたかを描いたパートとするなら、Chapter2は絶大な富と権力を手にしたロッキーに対して周囲の人物がどうするかという点に焦点を当てた展開になっていると言えるでしょう。いわばロッキー以外の人物にカメラを当てることでロッキーを描写しているわけです。だからこそChapter2ではロッキー以外のキャラクターが輝くわけですよ。
 敵方のキャラとしてはバイキングかぶれのアディーラもえらい人気でしたね。例の剣がスクリーンに映っただけで大喝采。これ「PATHAAN」でタイガーのスカーフが出た時点で場内のテンションが最高潮になったのと同じ現象ですね。
 まあ本作では場内のテンションが最高潮になる瞬間が山ほどあるんですが。
 そのひとつがみんな大好きブローニングM2重機関銃ことビッグ・ママのシーン。みんなここともう1か所のシーンために今回大量の火薬を場内に運び込んだことでしょう。前回のマサラ上映でもそうでしたがここのクラッカーすごすぎ。機動隊呼ばれても申し開きは不可能レベルの爆発音で気分は蜂の巣にされる警察署ですよ。そしてこの銃撃シーンが長い長い。でもクラッカーが全然途切れないのがさすがと言うしかありません。
 そしてここのみんな大好きロッキーのダークヒーローしぐさ、「銃撃で赤熱した銃身にタバコを押し付けて火を着ける」でビッグ・ママに負けないくらいの大歓声が。もうすでにChapter1で3時間映画見た後のテンションと盛り上がりではない。このエネルギーをもってすれば地球上のエネルギー問題は全部解決ですよ。
 しかもこれだけやっててもまだ盛り上がりどころがあるという。ビッグ・ママと同等かそれ以上に盛り上がる銃撃シーン、みんなだいすき「カラシニコーーーーーーーフ!!!」
 ここ、聞こえる爆音がスクリーンの中の銃声なのかクラッカーの音なのかまったくわからなくなってて笑ってしまいました。これだけ撃ってもらえたらカラシニコフことAK-47自動小銃開発者のミハイル・カラシニコフ氏もニッコリですよ。
 このように通常の映画なら50回はクライマックスを迎えているレベルの盛り上がりなんですが、今回のChapter2でいちばん盛り上がったところというかみんなの心がひとつになったシーンが実は別にありまして。
 それはどこかと言うとさっき休憩のときに食べたアレのシーンですよ。
 リナのもとにロッキーがヘリで駆けつけるシーン、ヘリの風圧に煽られてなんか白くて丸い薄い生地みたいなものが舞っています。前回のマサラ上映のあとのtwitter(頑なにXとは呼ばない)で知ったんですがあれこそがパパドなんですよね。
 前回のマサラ上映ではこのパパドについてはそこまで知られてなかったようで、わたくし人形使いも前回のマサラ上映のあとであの白くて丸いものの正体を知りました。
 そして知ったからにはやらずにはいられないのが塚口ファン。今回の該当シーンで大量のパパドが場内を舞う!
 いやーもうみんな「これがやりたかった!」って顔に書いてますよ。あまりの見事さに、わたくし思わず拍手してしまいました。
 応援上映やマサラ上映に長く通っていると、いろんな作品での「お約束」が自然発生的に生まれてきます。そのため、同じ作品の応援上映・マサラ上映に継続して参加していると作品の展開だけでなく客席から次はなにが起こるかという予兆を感じ取れるようになるんですね。そうなると「次はアレが来るぞ……!」というワクワク感という楽しみが追加されるのでおすすめ。
 というか今回のパパドのシーン、直前でそこらじゅうから「ゴソゴソ……」ってパパドを取り出す気配がしてたのが最高に面白かった。みんな同じこと考えてたんだなあ。
 塚口ファンの心はひとつ。パパドを撒きたい。パパドを撒きたい。
 間違いなくここが今回のマサラ上映における最大のハイライトだったと言えるでしょう。
 Chapter2も後半に入るとストーリーは急展開を迎えます。K.G.Fにおける大バトルが勃発し、そして――。
 これは以前の「サイラー・ナラシムハー・レッディ」の感想でも書いたことですが、同じ作品を複数回視聴するという行為には、物語の展開を知ったうえでしか得られない、2回目以降でしか味わえない体感や発見があります。
 しかるに今回のK.G.F、特に後半戦となるChapter2は、物語が進んでいくに従ってロッキーが「あの結末」にどうしようもなく少しずつ近づいていくのがなんとも悲しい。リナと結ばれたロッキー、あの二人が幸福であればあるほどその後に待つ悲劇を知っている我々は悲しくなる。でもどうしようもないんですよね。
 これまた塚口の感想でたびたび書いていることですが、塚口の応援上映やマサラ上映はスクリーンという「窓」を通して、我々を本来なら触れることができないスクリーンの向こうに連れて行ってくれます。
 しかし、我々にはスクリーンの向こうで彼ら彼女らがたどる運命を変えることは決してできない。どれだけ応援してもリナがああなることも、ロッキーがああなることも変えられない。
 マサラ上映の大騒ぎに身を委ねる中で、そんな思考が頭の隅にあるのを感じました。
 どこまで自分の運命を悟っていたのか、どこから自分の運命を決めていたのか。
 客席にいる我々のほとんどは、そんなロッキーの運命を知っています。今回が初見の人も、なんとなく彼がこれから辿る運命を察していたんじゃないでしょうか。
 ストーリーは「あの結末」に向かって進んでいきます。そしてその時が来たその瞬間の紙吹雪の美しさよ……。
 またまたこれまた毎回書いてることですが、塚口のマサラ上映はクラッカー撃ちまくり歓声上げまくりの「動」の部分だけでなく「静」の部分もまた大きな魅力。誰が言うでもなく、沈黙のまま紙吹雪を撒くだけ。
 この沈黙の中に紙吹雪が降り積もる音だけが響く光景、一度見たら忘れられません。twitterでもこの「静」の部分に感動している人が数多く見受けられるのも頷けます。本当に本当に美しいんだこの光景……。
 そしてラストカット、全員で叫ぶ! 「MONSTER!!!」
 
 ……というわけで2本合計して6時間+αの「K.G.F. Chapter1&2」連続マサラ上映、これにて終幕。
 いやー楽しかった! いつも通り上映前からお土産交換やコスプレなどで大盛り上がりしてから、上映中はそれ以上の盛り上がりを見せるのが塚口のすごいところ。加えて今回は2本連続の長丁場であったにも関わらずその盛り上がりが一切落ち込むことがなかったのがすごいですね。なんなら今この時点でもtwitterにはその熱気が残っているという。
 そしてやはり今回はパパドが忘れられない。あの場内の上半分の空間を埋め尽くしてパパドが舞う光景、世界広しといえどもサンサン劇場でしか見られないものでした。どんな光景だったかは毎度おなじみ関西キネマ倶楽部さんが素晴らしい写真を撮影してくれていると思うのでぜひとも。
 しかしこれで終わった気になってるわけにはいきません。なぜならすでに次の「帰ってきたあぶない刑事」マサラ上映が控えているから。なんか6月末から毎週マサラ上映してないかこの映画館。
 付き合ってると息つく暇もない映画館、それがサンサン劇場。というわけで次のマサラ上映でお会いしましょう。
 
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塚口サンサン劇場「K.G.F. Chapter1&2」連続マサラ上映入坑してきました!前半戦

2024-07-13 23:13:27 | 映画感想
 先週RRRマサラ上映、そして一昨日RRR最終上映が終わったばかりだというのに塚口はまだまだ止まりません。3時間ずーっと見せ場のインド映画みたいだな。「子は親に似る」と言いますが、映画館も上映作品に似るんでしょうか。
 というわけで今日見てきたのはこの作品!
 
 
 戸村支配人の前説によればなんと本作上映1周年だとか。その記念すべき日に我らが悪党(ヴィラン)ロッキーを称えられるとはなんという幸福か。
 しかし個人的なことを言えば今回はちょっと準備不足でした。
 RRR最終上映の際に今日のための音だけクラッカーを買おうと思ったんですが、なんかもうイナゴの大群が通り過ぎた畑みたいに完全に狩り尽くされていました。ちなみにこないだのRRRマサラのときに音だけクラッカーを狩り尽くしたのはわたくし人形使いなので自業自得とも言えます。因果は巡る。
 そして今日も早めに塚口に到着してダイソーに行ったんですが残念ながら在庫は補充されておらず。なので今回はリングベルと己の肉体のみでの参戦となりました。
 みんなどんだけクラッカー買ったんだろうか。
 今週は関西圏……にとどまらず全国各地でお花紙とクラッカーが大量に売れて日本経済回りまくりだったのでは。マサラ上映は経済を動かす。
 しかし今日は比較的天気も良くて良かったですね。特に塚口のマサラ上映は遠方から来る人や仕事帰りなどで時間ギリギリで来る人も多いので天気がいいのは本当にいいこと。
 恒例の待合室ではさっそく大量のおみやげというK.G.F.愛がブローニングM2機関銃ことビッグ・ママの銃弾のごとく降り注ぎ蜂の巣にされてしまい、リュックサックがパンパンに。
 
 
 塚口の応援上映やマサラ上映の際には、みなさんさまざまなお土産を用意しているんですが、まあどれもこれもとんちと工夫が素晴らしい。毎回作品ごとに手を変え品を変え、バラエティ豊かなお土産を楽しませてもらってます。
 特に今回は「からしれんこん」をシールで無理やり修正して「からしにこふ」にした辛子蓮根風味うまい棒を持ってきた方にお土産部門MVPを差し上げたい。どっから思いつくんだよこんなの……。
 今回はコスプレの方もいつも以上に多かった気がします。主役であるロッキーやリナはもちろんのこと、名もなき一般坑員のコスプレしてる人とかいてコスプレ班の層の厚さに改めて驚愕したわたくしでした。
 といった感じでいつも通り上映前からアクセル全開です。塚口の辞書にペース配分という文字はありません。
 しかし、ここからさらに車の床踏み抜く勢いでアクセルベタ踏みになるのが我らが塚口。
 恒例の上映前のスクリーンはこんな感じ。
 
(※わたくし人形使いは愚かにも誤って上映前スクリーンの写真を削除してしまいました。今後このようなことがないよう十分に注意するとともに、本件につきまして深く陳謝いたします。てへぺろ☆)
 
 こないだのRRRマサラ上映のレポでも書きましたが、わたくし人形使いのコミュニケーション能力はヒメマルカツオブシムシ以下なので普段は知らない人に話しかけるとかとてもじゃないけどできないんですが、応援上映やマサラ上映の際にはMPを振り絞ってお隣の方に挨拶するようにしています。
 今回はお隣の方はかたやはるばる新潟から来られた方、かたやお友達といっしょに大量の紙吹雪を持ってこられた方でした。北は北海道、南は沖縄から、塚口のマサラには遠方の方も数多く来られていて、本当に全国から愛されている映画館なんだなあと思いました。そしてお隣の方がお友達と「塚口にホテルを併設してほしい」と話されているのが聞こえて心の中で全力で同意していました。サンサン劇場はもういち都市として「地方自治体サンサン劇場」になってもいいのでは。
 今回はチケット争奪戦の際に3回も弾かれて席を選んでいる余裕がなかったのでいつもより後ろの方だったんですが、後ろの方から改めてこの光景を見てみると改めて「ここ本当に映画館?」(いつもの)といった光景で壮観ですね。なんだよ「これから都落ちします」みたいなその大量の荷物は……。
 そしてみんなが席につき、ざわついていた館内が少しずつ静かになってきたところで……我らが戸村支配人の登場だ! サラーム・トムラ・バーイ!!
 お客が芸達者なので劇場側も負けてはいません。ロッキング・スターことヤシュ氏演じるロッキーのあの名台詞を再現した前口上に館内のテンションはねぶた祭り20年分くらいの熱量に。どうなってんだよ毎回。もうこの時点で場内真ん中の通路は紙吹雪で埋まってます。
 そして今回も、初K.G.F、初マサラ、初塚口の方がけっこうおられて場内から温かい拍手が送られます。塚口で応援上映やマサラ上映をやるたびに必ず初鑑賞、初マサラ、初塚口の人がいるのってすごいことですよね。というかもうそろそろ塚口も4スクリーンでは限界なのでは。ここはひとつさんさんタウンを丸ごと乗っ取ってですね。
 そんな感じでブチ上がったテンションのまま上映開始!
 そして絶賛上映中「SALAAR サラール」の予告でさらにテンションがブチ上がります。もうこの時点で普通の映画3本分くらいのカロリーを消費してますよね。塚口の業態が「映画館」なのは無理があると常々思っています。
 そしてこのレポも2000字超えてようやく本編開始ですよ。
 
「TWIN」「うおおおおおおおお!!!!」
「K.G.F」「うおおおおおおおお!!!!」
「ROCKING STAR YASH」
「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
 
 スクリーンにはまだ文字しか出てませんが揺れてる揺れてる。座席が揺れてる。床も揺れてる。
 それも無理からぬこと。だってロッキーがあまりにもカッコ良すぎるから。
 わたくし人形使いは本作をもう何度も見てるんですが、見るたびに「映画って人間の『カッコよさ』をここまで引き出せるものなのか」と驚嘆せずにはいられません。
 ロッキーを演じるヤシュ氏がそもそもカッコいいんですが、本作ではカメラアングル、BGM、陰影、そして空気感、あらゆる要素を使ってヤシュ氏の持つカッコよさを最大限に引き出している。
 ロッキーのカッコよさの真髄は、その洒脱な台詞回しに依る部分が大きいと思うんですよね。みんな大好き「暴力、バイオレンス……」は言うに及ばず、各所の台詞回しが実に機知に富んでいる。「真似したくなるセリフ」って魅力の証だと思います。Chapter2にも大好きなセリフがあるんですがそこはあとのお楽しみ。
 もうロッキーが何をしてても客席からは歓声とクラッカーと紙吹雪が止まりません。基本的にロッキーの体の一部がスクリーンに映ってたらみんな大騒ぎ。なんならロッキーが画面に出てなくても「Rocky」の名前が入ったバイクがスクリーンに映っただけで大歓声だからな。
 そしてChapter1の盛り上がりのクライマックスの一つ(クライマックスが複数あることに今さら疑問を挟んではいけない)であるロッキーがリナに一目惚れするの巻のシーンの盛り上がりがまあすごい。ロッキーのマイベストダークヒーローしぐさである「掴んだ敵の手で自分の髪をなでつける」のところで思いっきり「ここすきーーーーーッッッ!!」って叫べたので満足です。
 あと今回見てて思ったんですけど、ロッキーだけじゃなくてリナも明らかにここで一目惚れしてるよな。
 これだけ盛り上がっててまだ盛り上がるところがいくらでも残ってるのが本作のすごいところ。次はみんな大好き「Salaam Rocky Bhai」をスタンディングで大合唱!!
 ここがどれだけ盛り上がったかは文字通り筆舌に尽くしがたい。だいたいこの作品を見てマサラ上映で「Salaam Rocky Bhai」を場内全員でクラッカーと紙吹雪撒き散らしながら絶唱したくならない人間なんて現在過去未来すべての時間軸において存在するわけがないんですよ。やりたかったことをやらせてくれる映画館、サンサン劇場。
 わたくし前述の通り今回はリングベルのみ参戦だったんですが、右手振りすぎて肩からすっぽ抜けるかと思いました。明日は筋肉痛が確定している人も多かろう。
 ここの一体感、本当に素晴らしかった。今日のシアター4に集まった人々だけでなく、スクリーンの中でロッキーを称える民衆とスクリーンの外でロッキーを称える我々もまた一体となっていた。
 このブログで何度も何度も言ってることですが、塚口の応援上映・マサラ上映はスクリーンの中の物語と一体となれる、映画という作品の一部になれるという未曾有の体験ができます。そりゃあ北海道やら沖縄やらからわざわざ宿を取って新幹線に乗ってくる人がいるわけですよ。こんな映画館ほかにないですよいやマジで。
 そんな感じでもう終わった気になってますが、こんだけ盛り上がってて1、2合わせた作品全体の尺的には4分の1くらいなのがすごいというかなんというか。作品のストーリー的にもここからどんどん盛り上がっていくんですよね。
 Chapter1のラストパートとなるロッキーがガルダ暗殺のためにK.G.Fに潜入するところで紙吹雪が実にいい仕事してるんだよな。画面の中から荒野の砂埃が吹き付けてくるようなあの館内の光景はこのあと関西キネマ倶楽部さんがしっかり撮影してくれてると思うので必見。本当に幻想的だった。
  Chapter1のラスト、奴隷たちに紛れてカーリー・マーの儀式に紛れ込んだロッキーがついに組織の重鎮のひとりであるガルダの暗殺に成功するシーン。ロッキーはあそこでK.G.Fの奴隷たちの心をつかみ、彼らの救世主と崇められるようになります。あのシーンでもう観客全員がK.G.Fの奴隷だった。スクリーンの中の奴隷たちと完全にシンクロしてた。あんなん見せられたらそりゃあ誰でも心酔するわ。誰だってそーする、おれもそーする。
 一連のストーリーの語り手である老記者アナンドの「これは始まりに過ぎない」のセリフでChapter1は幕。後半戦であるChapter2まで45分間の休憩となります。
 皆さん知っての通りChapter2はもう最初からフルスロットルなのでここでの栄養補給は必須。トライアスロンかな?
 前半戦はひとまずここで筆を置きましょう。後半戦に続く!
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夏コミ原稿をなんとかかんとか進めています。

2024-07-12 23:18:00 | 小説の書き方
 もう7月が中旬に入ってしまうことを意識から遠ざけつつ生活しているわたくしです。
 まあそんなこととは関係なく締め切りはやってくるので書いてます夏コミ原稿。
 そして書いてるうちに話がこんがらがってきたのでうコピー用紙の裏にメモを書きなぐって整理中。
 もうそれなりに長いこと小説を書いてますが、自分の書き方はとりあえず書いて止まったらまとめ直してという非常に回りくどいやり方になってます。事前にまとめとけよと思いますが、いったん書き始めてからのほうが先の展開や構成が頭の中から出てくるんですよね。完全なプロットを完成させてから執筆に入るというのが本来は望ましいんでしょうけど、そうなるとプロットを練ってる間ずーっと書きたい欲求が止まってしまうので良くない。
 まあ一見遠回りがいちばん近道ということはよくあるのでマイペースにやっていきましょうかね。手段や方法にあんまりこだわりすぎると行動ができなくなるので、あくまで目的は行動ということでやっていきましょう。メモってたらだんだん書きたいことが分かってきたしな。
 今回こそは余裕のある締切を迎えたい……。
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塚口サンサン劇場「PS-Ⅱ 大いなる船出」「RRR」見届けて来ました!

2024-07-11 23:22:03 | 映画感想
 毎週木曜は滑り込みの日。
 そして今日はあの作品のいったんの最終上映日ということで、悪天候にもめげずにサンサン劇場に行ってきました。
 今日見てきたのはこれ! ……の前に、すっかりおなじみとなって、そして今日でいったんお別れとなるこの光景を写真に収めてきました。
 
 
 もうすっかり塚口の日常となったこのポスターも、いったんとはいえなくなると思うとさみしいもの。しかしまあ秋くらいにはしれっともとに戻ってそう。それが塚口。
 
 
 作中の名場面が楽しめるこちらのポスターも撮影。もうこのポスターを眺めているだけでこみ上げてくるものがあります。もうどの写真も名場面。この作品は名場面でできている。名場面の金太郎飴かよ。
 
 
 なんだよこの不審な空白は。
 塚口のファッションリーダー秋山殿がいずこかに姿をくらましていますが、きっと戻ってきてくれるでしょう。あぶない感じで。
 長い歴史のある塚口サンサン劇場ですが、間違いなくこの日が大きな境目となることでしょう。その歴史の一端を後世に残すためにも筆を走らせる次第です。
 というわけで今日の1本目はこれ!
 
 
 1週間限定の作品ばっかり見てるとロードショー公開の作品が後回しになってしまい、気がついたら終映日になってしまうもの。
 本作も1作目を見てからずいぶん間が空いてしまいましたが、今日ようやく見てきました。
 前作ラストで敵襲にあい海に沈んだと思われていたアルンモリ王子は謎の老婆に救われて生きていた! アルンモリ王子をはじめ、長兄アーディタや長女クンダヴァイ王女は密使デーヴァンからナンディニ王女による王朝転覆計画を聞き出します。
 計画を阻止すべく奔走する彼らのあいだには複雑な愛憎が渦巻いており……。
 前作もそうでしたが、本作もまた非常にスケールの大きな歴史絵巻となっています。そしてそのストーリーの重厚さを支えるのが壮麗な宮殿や雄大な大自然といったビジュアル。
 本作は前作よりも明らかに引きのショットで背景を大きく広く映すシーンが多かったように思います。特に印象的なのが川や海といった「水」のシーン。
 個人的にインドと言うとやはりガンジス川をはじめとする広大な川のイメージがあるんですが、本作の川や海はなんというか文字通り歴史の「流れ」といった感じで実に雄大。
 あと、本作は珍しく?と言うべきでしょうか、我々日本人には馴染み深い仏像やお寺の描写があったのが非常に新鮮でした。でも考えてみれば本場は向こうなんだよな。
 そして壮大な大河ロマンである本作の魅力といえば、複雑に絡み合った愛憎渦巻く登場人物たち。
 本作はたくさんの登場人物がさまざまな思惑をもってそれぞれの運命をたどっていきますが、その中でも特にクンダヴァイとナンディニがなんというか……とても「強い」。
 この「強い」はもちろん肉体的な強さではなくキャラクターとして強い。
 本作の主人公は誰かと言われれば、ある人はデーヴァンと言いまたある人はアルンモリと言うでしょう。公式的にはアルンモリになるのかな。
 しかし、こと存在感という点では上記のふたりが圧倒的だと思います。もうね、表情に込められている感情の分厚さたるや……。
 ふたりとも出自はともかくとして高貴かつ権力のある身分にいるのでそりゃあ人前、特に民衆の前では弱さや脆さを顔に出さないし出せないわけですが、それだけに内に秘めた感情が隠しきれなくなってるシーンが非常に印象的。それが明確に出るのが目なんですよね。
 かの名作「バーフバリ」のシヴァガミ様を例に出すまでもなく、インド映画の女性陣はどのキャラクターも目の力がすごい。だからこそ、その力が崩れてまるでひび割れた仮面の向こうから素顔が覗くかのような目の演技がすごいんですよね。わかりやすく絶叫したり泣いたりするのではなく、目だけであれだけの感情のゆらぎを表現できるというのが本当にすごいと思いました。本作でいちばん感動してインパクトを感じたのはストーリーよりもむしろこの点だったかも知れません。
 あと生臭坊主のナンビが実にいいキャラしててうっかりデーヴァンを食ってしまいそうなくらい魅力的でした。ああいうキャラとても好き。
 
 そして2本目。
 1年8ヶ月連続上映というギネス的な記録を打ち立てたこの作品も、ついにいったんの終わりの時を迎えることになりました。
 その有終の美を見届けるために、今日は平日で天気も悪い中たくさんのファンが詰めかけました。
 それはもちろんこの作品!
 
 
 なんかもうマサラ上映に慣れきってて、ナートゥで「あれ? 踊らなくてよかったっけ?」とか思ってしまいました。
 この作品ももう数え切れないくらい見てます。今日ここに集った方の中には鑑賞回数3桁の人もいるでしょう。
 わたくし人形使いも相当回数見ていますが、全然飽きないし面白さが減衰しない。むしろ見るたびに面白さが増していく……というか、なんでこの作品がこんなに面白いのかがだんだん分かってくると言うべきか。
 本作の面白さを担保する要素はいくつかあります。例えば「ストーリーに遅滞がないこと」。
 本作を鑑賞して、どこかのパートで退屈したという人はまずいないでしょう。なぜなら、本作は常に何らかの形でストーリーが進行しており、次から次にイベントが進んでいくから。「パートからパートへのリレーが着実に行われている」と表現すればいいでしょうか。
 パートのつながりがあまりにもスムーズすぎて意識しませんが、そもそも最初の3つのパート「STORY」「FIRE」「WATER」で物語の前提を示して最初のイベントである救出劇につなげてタイトルドーンの流れが完璧すぎる。「心をつかむシーン」であるのはもちろんのこと「心をつかみ続けるシーンが連続して作品を構築している」というのがわかります。
 それでdostiが終わってジェニーとアクタルの市場のシーンが終わったらすぐにナートゥ、ナートゥが終わったらラッチュ捕縛、ラッチュ捕縛からスコット邸襲撃、インターバルが終わったらラーマの回想……と、こうやって取り上げていくとわかるようにストーリーの緩急はあるのにダレないんですよねこの作品。どうなってんだ。この勢いがそれこそ最後のエッタラジェンダまでずーっと続くという……。
 本作がラーマとビームのつながりや絆を描いた作品であるように、シーンごとのつながりも非常に強く、なおかつスムーズ。そして劇的。
 個人的にこの「シーンごとのつながり」ですごいと思うのがタイトルからのdosti。救出劇のパートであれだけ盛り上げてるなら、普通はタイトルの後は落ち着いたパートになるはずなんですよ。しかし本作はそこからノータイムでさらにアクセルを踏むという。
 そしてこのdostiのシーンでは「救出劇を経てラーマとアクタルが信頼を深める」以外にも「ラーマは反逆者を見つける、アクタルはマッリを見つけるという目的が果たせずに焦っている」「ふたりの信頼関係にはいずれ決定的な破滅が訪れる」という要素が散りばめられているんですね。
 さらには終盤のバトルへの伏線であるみんな大好き肩車もここでやってるという。
 作品全体の尺から見れば短いシーンであるにも関わらずカラビ・ヤウ空間に折りたたまれてるの?ってくらいの情報量が突っ込まれてるのが改めて分かります。人間業じゃねーよこんなの。
 またシーンごとのつなぎ方が最高に上手くて好きなのがラーマのペンダントのシーン。ラッチュ拷問のシーンで振り上げたラーマの腕からペンダントが弾け飛ぶ→ペンダントを握りしめるラーマの手のアップ→すかさずペンダントを握りしめるシータの手のアップになるここの流れ最高に好き。例えるなら業物の日本刀でなんの抵抗もなく敵を唐竹割りにした感触がある。わかれ。
 さっきから書いている通り、改めて本作を見ると3時間という長尺であるにも関わらずシーンごとの流れが非常にスムーズで、なおかつ見せ場がわんこそば状態で次から次へと来るので、いわゆる「体感5分」になるわけです。今回も見てて、「あれ? ナートゥってこんなに早かったっけ?」って思いました。dostiが終わったらすぐナートゥって感じだった。
 本作は始まりから終わりまで本当に飽きない作品なんですよね。1ナノ秒たりとも観客をスクリーンから離さない。DVVからエッタラジェンダまでずーっと作品世界から心が離れません。
 そして今日の上映終了後の拍手がまたすごかった。わたくし今まで上映終了後の拍手には何度も遭遇してきましたが、今日の拍手は間違いなく最長かつ最大でした。そして客席から「ありがとーーーーー!!」「また帰ってきてーーーーーー!!」の絶叫が。RRR、愛されすぎ。多分ここで上映中に蓄積された紙吹雪撒きたいクラッカー鳴らしたいナートゥ踊りたい絶叫したいの欲求が爆発したものと見られます。なんかもうRRRはマサラ上映が通常上映という認識すらありますよね。
 まあ心配しなくても下手すりゃ今年中に帰ってきますって塚口だもの。
 というわけで、RRRとはひとまずのお別れです。しかし、王が凱旋するようにこの作品もまたいずれ凱旋してくれるでしょう。信じて待つのみよ。
 そして次は、というか明後日はK.G.Fでカラシニコフじゃい!
 
 
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夏コミ原稿進めてます。

2024-07-10 21:24:13 | 小説の書き方
 無事Fallout3も終わったので原稿をやってます。
 今回の原稿は、pixivにも上げている記念すべき初のバロック長編小説「二天流離」を大幅改稿することにしました。
 決して6月過ぎてもネタが思い浮かばなくて過去作の改稿に逃げたとかそういうわけではありません。俺を信じて。
 さておき、本作はもういまだ天地の境曖昧なりし頃に書いた作品でなかなか拙いものですが、前述の通り記念すべき最初のバロック長編。なのでいつか改稿してコミケで出したいと思っていたことは本当です。
 今読み返すと設定が曖昧だったり文章がクドかったりしてオゲェェといった感じですが、それはまあ現在では多少は文章を書くのがうまくなったということで前向きに捉えていきたいと思います。
 また、最近のバロック本はあんまりカップリングというかキャラクターどうしの関係性にフィーチャーすることがなかったので、今回はその辺にも注力したいところ。というか女性天導さんはギャグばっかり書いてたのですごく久しぶりにシリアスを書く気がする……。
 ともあれ、最終締め切りまで泣きながらやっていこうと思います。
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