崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

鄭鑑録

2010年12月21日 05時24分21秒 | エッセイ
目下最も注目される人物の小沢一郎氏と元自民党のトップインテリの与謝野氏が碁盤対決する映像を見ながら「鄭鑑録」を思い出した。小沢氏の勝利が何やら象徴的に感ずる。「鄭鑑録」とは李沁という人物と、鄭鑑という人物の二人が朝鮮の地形を見下ろしながら風水的に、会話するという形式で書かれた本である。主な内容は李氏朝鮮が滅びて新しく鄭氏が現れて国を立て直すという。風水地理説により戦乱の中でも安全だといわれる鶏龍山や風水的に良い場所といわれる「十勝之地」を王都や住居地として薦める。李王朝の敗亡を予言した終末論的な内容であり、禁書になり、民間で手書き筆写などで異本が多くでまわったりして関心が高かった。私も風水信仰の研究でこの本を分析したことがある。
 王朝が滅びるという終末論に民衆は関心が高かったか。世界的にも千年王国説、聖書などでも終末信仰が語られている。週末とは悲劇的な要因と希望を持たせる要因がある。支配体制への不満、社会的不安などから新しい体制を求める政治的・社会的状況へ変化を期待する心が根底に横たわっている。いま日本は豊かさの中の貧困層が広く政治的に強いリーダーシップを持つ人物を求めている。小沢・与謝野の碁盤対決は何を意味するのだろうか。(写真は東京新聞から)


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