崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

1年を回顧して

2010年12月22日 05時55分07秒 | エッセイ
 昨日ある新聞の記者から私の今年1年を回顧して何が言えるかと質問された。今年は多くの研究会、国際シンポ、講演会などで忙しかった。何より私にとって嬉しいことは韓国で著作集第1巻『韓国の祖先崇拝と孝』をだし、第2巻の発行を直前にしていることである。その日本語訳版は来年に出ると思う。国立民族学博物館で3年半にかかった研究会の成果が関西学院大学出版会から6月に出る予定で、代表の山路先生がいま細かい作業をしている。その本には私は「朝鮮総督府資料を読む」という論文を載せた。それで秋葉という学者がいかに多く総督府嘱託の村山氏の研究を利用したかを明らかにした。これからもそれらの資料を精読したい。
 「毎日新聞」のリレーエッセイを長く連載し、ほぼ同じ時期にはじめた連載、「東洋経済日報」のエッセイコラムを2年以上続いている。しかし同じ韓国民団系の「民団新聞」には今まで一切名前さえ載せてくれなかったのに、東京韓国文化院長の紹介ではじめて新年号に原稿請託を受けて異様な感がする。『差別を生きる在日朝鮮人』を書いたことが受けいれられず、ニューカマーの私は登場することがなかった。それは民団も親日・反日を超えて国際化されたことを意味するだろうか、ただ偶発的かは知らない。受け入れるか、ないか気にせず私はただ生きていることを新年も発信していくつもりである。

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