崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

九州大・国際シンポでコメント

2010年12月20日 06時32分09秒 | エッセイ
 昨日福岡市東区の九州大学箱崎キャンパス国際ホールで「朝鮮半島をめぐるボーダー研究の最前線」のシンポジウムが開かれた。松原孝俊・九大韓国研究センター長とは1979年から啓明大学時代の同僚であり、同センターで以前にも発表をしたが今回は発表者と聴衆も国際政治、歴史関係者が多く異分野の感があった。NHK山口テレビのアナウンサーの柴田拓氏が参加したので松原氏を紹介した。私の担当のセクションは「サハリンとコリア」というトピックで今西一(小樽商科大学教授)「樺太・サハリンと朝鮮人」、三木理史(奈良大学准教授)「北からの朝鮮人移住と樺太」、許粹烈(韓国・忠南大学校教授)「韓国における強制労働研究の現状」についての発表があった。
 学会の発表ではないシンポジウムの場合はキーワードを持って共通の認識を模索することであるがそれができなかった。小さい研究会ではできるが、大きい国際会議になると真面目な討論は難しくお祭りの雰囲気になる。通訳を入れるなどで時間調整が粗末になり、言語問題が支障になる。昨日も発表者が2倍以上の時間を費して、3人の発表のレジュメを現場でもらって聴講だけでコメントをすることになり、大変だと思い緊張して聞いていた。しかし、最後の私のコメント時間が短縮され、20分という時間を守ると宣言して立って話したが疲れて若干早く終えた。私は先行研究や用語などの基本的な問題点だけを指摘した。 続いてセッション2「北東アジアの境界・北朝鮮」も傾聴した。三村光弘「北東アジアにおける北朝鮮の位置」、李鍾奭(元韓国統一部長官)「北核問題の膠着:背景と展望」倉田秀也(防衛大学校教授)「北朝鮮と米中関係」では日中韓、6者会議などテレビで聞くような話であった。発表者の一人が途中で早引き脱席した。人の話を最後まで真面目に聞く日本人の真面目さはかなり薄れた。世界的に模範であった日本人の真面目さがなくなり、むしろ外国から来られた人に悪い点を印象ずけるのではないかと心配である。


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