崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「危険な本」

2014年09月06日 05時33分54秒 | 旅行
 書き始めて10年、ブログを通して多くの方と意見を交換したり会ったりして人間関係を広げてきた。時には意見の違いによって失礼したこともあった。フェースブックとも連携してもっと情報を広げることができている。研究をすること、この世に本を出すことも基本的にはコミュニケーションを広げることかもしれない。そのためには意見を出すことである。植民地を研究し始めた時は危険なテーマだと言われた。1980年代には韓国の植民地に触れたことのまったくない人たちも今盛んに触れている。今記憶に新しいことがある。朝鮮総督府の資料の『朝鮮の風水』を韓国語訳を出した1990年、『歴史民俗学』にある民俗学者の批評・非難が忘れられない。それは私へのバッシングであった。そんな中、植民地資料は著作権がないので多くの類似翻訳や研究書が雨後筍のように出はじめた。その経緯を今月発売の「月刊SAPIO」にインタビュー記事が載っている(まだ未確認)。それについて近代史専門の方と若い在日の研究者から高評の電話やメールが来ている。
 新しくフェースブックの友人ができた。ご自分で「青い目」のと言われるオーストラリアの方である。日本語と韓国語ができる方でAdam Park-Zulawnik氏である。韓国と日本、両国でかなり遠く離れた「他者」として韓国と日本を見ている人と自己紹介がFBに公開されている。オーストラリアで、日韓関係を研究するという。彼は私についてももう一つのことを言ってくれた。数年前に拙著韓国語の『親日と反日:危険な日韓関係』を英訳出版しようとしたときある韓国人からその本は「危険な本」だと言われて中止にしていたが、翻訳しようとしているという朗報である。今私を「危険な奴」と言いながらその陰で安心して研究する人が如何に多いか。一緒に「危険人物」になってほしい。

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