「大統領記録館」

二泊三日の最終日の朝は明洞名物の豆もやしスープとご飯から始まった。日本では緑豆もやしを主に食べるが韓国では白豆もやしが一般的である。家庭では簡単な朝食のスープであるが、それを主とする食堂が人気になり有名となったところもある。今度の旅では焼肉はメニューに入っておらず、一行の若い人には物足りなかったかもしれないが、韓国伝統料理を味わったといえる。朝食後にホテルに戻って先日崔錫栄氏からお土産にいただいた大きいパイナップルを4人で贅沢なデザートとして食べた。
　路線図をみて、人に尋ねても分らない。地下鉄駅の職員に聞いたらスマートフォンを開いて教えてくれる。電車を乗り変えながらIT産業都市の板橋に着き、タクシーに乗った。さすがに運転さんは道をよく知っていた。一般的に知られていない施設「大統領記録館」に着いた。歴代大統領に関する資料の展示館であるが私は朴正熙大統領のセマウル運動関係の資料を見に行った。大きい施設を利用する人は数人しかいない。情報はほぼインタネットを利用して得るので実物を見に来る人は少なく、担当者は親切ではあるがシステムは親切ではない。朴大統領の世界文化遺産登録の文書は見ることも知ることもできなかった。紙で残す文書の意味はもうなくなったようであり、インタネット中心の時代を強く感じた。世界潮流の速さを感じた。早い潮流に蓄積文化も流れているのではないかとも感じた。
　仁川空港へ高速リムジンバスに乗った。空港のある永宗島へ渡る美しく長く、長い橋を前方に眺めた。バスはなんとその橋を走る。2日間、よい天気に恵まれていたが強風注意報が出ている中、バスはジグザグに揺れながら高速で走る。私はもちろん、他のお客さんたちも緊張する中、無事に空港に着いてほっとした。夜下関駅に着いたら冷たい風が強く、冬に逆戻りしている。隣の方が電気をつけておいてくださり、ミミが温かく迎えてくれた。はしゃぐミミの姿に我が家に着いた安らぎを感じた。＊写真は仁川空港で