崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

葱根

2016年04月25日 05時38分30秒 | 旅行
ヴェランダのプランタにネギの種を播いたものが伸びていて、間引きをした。根が細く、白く、光る。白髪に似ている。韓国語で結婚祝いの言葉の「葱根になるまで파뿌리가 될 때까지」を実感した。言葉の中にはこのように事物を観察して生まれたものが多い。それが多くの人に共有されて言葉として生きるのである。私が、日本語が難しいということはこの言葉の生成文化というか、その基礎を体験していないからかもしれない。
 日本に住んで30年弱、韓国語でも異様な言葉と感ずるものが多い。日本語の「とりはだ鳥肌」がその漢字語を韓国語に訳してダクサル닭살という。その韓国語は最近のものであり、日本語から意味だけを採った造語であろう。国語の純粋化運動の一環として日本からの外来語を撲殺させようとしている中に巧みにできた造語といえる。以前私の知人の一人である国語学者宋敏氏が日本語のクツが韓国語のクドウ구두になったのではないかと思い、調べたところ日本語から韓国語へと言うことが明らかになったと述べた。私は言葉の影響より生活文化の共有、造語発想の共有が面白いと思う。

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2 コメント

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韓国から伝わった言葉 (西原経徳)
2016-04-25 09:39:15
日本から韓国に伝わった言葉は現地に行くとよく分かります。
最近では牛丼なんてそのままです。
逆に半島から伝わったのではないかと思われるのは
建立(こんりゅう)はU+AC74U+B9BD(コンリプ)
ウロチョロは右路左路(U+C6B0U+B85CU+C88CU+B85C ウロチャロ)
百済はU+D070 U+B098U+B77C(クンナラ 大きな国)など。
ところで日本の奈良は韓国語の国( U+B098U+B77C なら)からきたと韓国人から
聴きましたが当時の半島との関係をみるとそれは考えられません。
韓国ではそのように教えているのでしょうか。
また先生はどのようにお考えでしょうか。
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Unknown (崔吉城)
2016-05-02 06:02:42
 遅れましてすみません。隣国の往来に当然な現象でしょ。私には知らない情報です。有難うございます。
 単語を含めて文章の渡来現象はどうでしょうか。例えば「電話を入れます」「ダクサル닭살」など単語より意味を解釈して新造語の現象など多様でしょ。宋敏氏の日韓比較の本が参考になります。
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