崔吉城との対話

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慰安婦の真実

2021年03月20日 18時54分53秒 | 講義
 ハーバード大学のラムシェア教授が今、注目されている論文に小生の拙稿『慰安婦の真実』を二か所で引用しておられるという情報を得て、その論文を探した。ネット上にはほぼ韓国人の反抗の書き込みでいっぱいで本文を見つけるのが難しい。どれほど韓国人が怒っているのか、端的に感じた。反日民族主義の文で一杯である。大半の人々は、新聞や放送の報道、そして要約文だけを見て書き込んだのであろう。また、プロパガンダのメディアの言葉を聞いたり、うわさで作られた言葉でいっぱいで、原文の引用がほとんどない。そのような世論のデマに向けて客観的な論評は必要ではない。
 アメリカンドリームの本山であるハーバード大学教授に向かって、韓国人がこのように侮辱的な言葉を発するのは何故だろうか。英語の論文の原文を読ませてもらった。韓国人が指摘する問題点に焦点を置いて理解するために注意深く読んだ。戦争と植民地の歴史を踏まえて、戦時中起きた売春に対する様々な研究、または資料を客観的にきちんと整理されている。慰安婦は契約制による売春婦であり奴隷ではないということが明らかにされていた。戦争と植民地を非難・批判はしても、売春のような社会的現象を非難することは結局ブーメランだということを知らなければならない。
 本論文は高価な代価を得てセックス労働したことを証明した。それは契約的な売春だというのが重要なポイントである。契約制indentureについて注意深く検討されており、評価できる。私はサハリンの労働動員で、ほぼ2年間の契約をしたことを調査で知った。当時イギリスではインドからアフリカへ契約移民があった。慰安婦が戦場という危険な場所で売春するために高価な代価を受けたことは厳然たる事実である。その論文の趣旨展開は問題点などを明らかにし、優れたと評価したい。私が調査研究したところでは、当時の慰安婦は決して奴隷や軍人、軍属ではなかった。当時、日本は植民地も「帝国日本」だという意識を持っていたのでそれほど無理なことはしなかったと思われる。

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