韓国から来られた丁田 隆氏に会った。尊敬する旧友先輩の竹田旦先生のお弟子さんであり、本欄を通して親しさを感じた。彼は日本文学から民俗学へ転身し、最近韓国学中央研究院で博士号を取得された方である。現在韓国昌原大学校の日本語の教師である。彼はまだ40代でありながら私と共通の人物、事柄を知っておられ、2時間ほど話を楽しんだ。彼は最新の拙著の『慰安婦の真実』を購入して読んできた。彼は昔学会で私にあいさつしたことがあるという。特に私が1960年代末に文化財専門委員として済州島都庁がセマウル運動で迷信打破の報告を受けて出張し、現場を視察して打破すべきか保護すべきか悩んだ上報告書を任晳宰・玄容駿との共同名で書いた。彼がその文にヒントを得て研究をはじめ博士論文にまで発展させたことを知り驚いたことも述べた。彼はその時がシャーマニズムが迷信打破の対象から文化財に変わる変換政策の時であり、注目すべき研究テーマであると思ったとのこと。私は彼の研究を称賛した。逆に彼は韓国政府の中央のセンターで働いていたのに日本に留学した私の人生、変化に富んだ生き方に関心を持っていた。