崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

日本軍の「慰安室」

2013年09月07日 05時27分57秒 | エッセイ
 日中戦争に参戦した小山氏(1915年生まれ)が持っているアルバムから1937年から3年間に撮った130余枚の写真を整理している。戦争の最中のなか被害状況などの見たまま撮った写真であり、事実性や客観性は高い。その写真の中から「慰安室」という表札に私の視線が堅く留まった(写真)。一瞬的に問題の「慰安婦」の慰安所ではないか、その関連の施設ではないだろうか。もしかして慰安婦の施設の写真であればそのまま公開することも・・・。もっと詳しく詮索的に観察してみた。その写真と関連のある写真に小山氏が「兵隊を慰安する内地人・・・」と注記したものがある。それを参考にしてこの「慰安室」とは病院の慰安室や霊安室、あるいは面会室のようなものと推測できる。小山氏の写真説明においても女性の話は出ても慰安婦の話は出なかった。少なくとも彼が長く参戦した日中戦争には「慰安所」はなかったと思われる。
 新聞が「撫子のサーヴィス」「勇士歓迎」という遊郭の看板写真を慰安所のようにオーバーに報道して以来、慰安婦問題を大きく引き起こし、妄言などで増幅させたことを考えると騒ぎ、騒動を起こすのがメディアの本性のように感じられる。私は日本社会を大まかに考えてみるとマスメディアが一番大きい問題だと考える。メディアには倫理委員会があっても機能しているのか疑問である。靖国、慰安婦、被曝、原発など長く年中持続的に頻繁に報道してそれが民主主義的メディア然と主張するような軽薄は報道態度が目立つ。目下連日、原発・反発の報道が続いている。外国からの影響や反応が大きい。韓国が水産物輸入禁止、オリンピック誘致には障害、不利になっている。
 メディアの命は「客観性」しかない。礼儀上とはいえ「天皇陛下」「将軍様」が禁忌語・聖語のようになっている国ではメディアの客観性は成り立たない。ニューヨークの通りより東京が綺麗だといわれるが、メディアは逆であろう。