崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

障害

2013年09月21日 04時52分52秒 | エッセイ
下関議会で田辺よし子議員の質疑を傍聴するため市庁に着いたが、前の質疑者の質問が短く予定外に早く終わってしまったという。彼女を囲んだ数人のファンたちは失笑、地下で談話をした。私に紹介された人は60代の上田誠氏。彼は咽喉にマイクを付けて話をする方である。数年前咽喉癌で手術を受け、普通に発音することができずマイクロフォンを付けて話す。そのような人が全国に67人いるとのことである。彼は補聴器を使っている私の左耳側にすわっていて不思議に調和していると感じた。彼は発声ができず、私は耳が聞こえず、マイクと補聴器が対になった障害を持つ二人の出会いであった。私の話にわざわざ「はー?」「この言葉を知っていますか」と大きな声を出して言う人がいる。私は日本語の障害を持っているかもしれない。実は障害は身体だけの問題ではない。男女の凸凹のように人はそれぞれ不完全なものの調和であろう。また「正常」な人と「不正常」な人が調和する。その調和が順調な社会が福祉社会であろう。