崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

人質「敵の手も借りる」

2013年01月19日 05時30分56秒 | エッセイ
 多くの人は平和のために反戦の思想を持っている。戦争は平和を壊し、命を奪うからである。世界大戦などは避けられるようになったが大困難なテロや人質事件が時々起こっている。世界的に大変困っている問題である。子供の誘拐、拉致など破廉恥な事件が世界各地で起きている。いまアルジェリアの天然ガス関連施設がイスラム武装勢力に襲撃され、多くの外国人が人質になって死傷をしている。
 私は人の命を盾にする事件、特にイスラムという宗教を背景にした事件として許せない。命や人権を尊重する国が先進国である。アルジェリアの迅速な対応は良いが命を最優先する日本、アメリカ、イギリスなどの意見を受け入れて対処すべきであると言いたい。非常に不思議な思いもある。アルジェリアとマリはフランスの植民地であった。そのマリがフランス軍に支援を要請して、空爆を行ったということである。私はフランス植民地の影響を見るためにイギリスでアフリカ植民地研究者に会って意見を伺ったことがある。それはフランスが植民地に同化政策を取ったとされており、日本はその植民地政策を参考にしたと思って調査しようとしたからである。植民地朝鮮の『朝鮮』にはアルジェリアのフランス統治についてしばしば掲載されている。今のマリとアルジェリア政府が旧宗主国であるフランスに軍事的に支援を要請したということは韓国などではありえない異様な状況と言える。本当に困った時は敵の手も借りる。それが普遍的なことかもしれない。