崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

華麗な宮中文化を讃美するような史劇

2013年01月07日 05時57分59秒 | エッセイ
世襲、42年間支配の国のシリアのアサド大統領(47)が演説し、民主化反体制派との停戦交渉に応じないと言った。6万人が死亡、50万人以上が周辺国に逃れているのに「私はシリアに生き、シリアで死ぬ」という態勢を崩さなかった。アサド政権と反体制派の戦闘が、イスラム教の宗派対立のようであるがアサドは少なくとも政治的責任、「アラブの春」という民主化運動を踏みにじること、悲惨な内戦を止めるべきである。歴史的には世襲王朝の時代が長く、普遍的であったが、近代においてそれを変えるのに数世紀がかかった。しかしその流れを拒否する国家がある。シリアや北朝鮮が代表的である。
 なぜ王様のような独裁者が生き続くのであろうか。史劇などでは華麗な宮中文化、その頂点に王族や皇族が君臨している。今でもそのような存在の人は生まれつき最高の贅沢をしている。それを批判的に考えず流行やファッションのモデル化している愚衆がそれらの存在を支えているのである。私は華麗な宮中文化を讃美するような史劇をほぼ見ていない。独裁を支持する民衆が問題であろう。アサドは国民が民主化運動で6万人が死亡しても豪華な生活を続けたいといっているとしか思えない。死者の怨魂を恐れ、人権を考えて、いち早く停戦条約に応じるべきであろう。