予定通りに「長恨夢」(申相玉監督、1969)を上映した。1時間ほど前に田中絹代塾の会場で準備しているうちに観客が満員になっていて本番の前に1937年の「金色夜叉」の映画を流しながら勉強会のように始めた。尾崎紅葉の小説を読みながら映画をみてから韓国映画の「長恨夢」を見て、分析した。日本人では貫一とお宮の恋愛とダイアモンドを知らない人が少ないように、韓国人では李守一と沈順愛の「ダイアモンドか愛か」を知らない人がないほどポピュラーな話の根源である小説、映画、歌などを聞きながら見ながらの長い時間をかけて準備したものの研究発表のような時間であった。映画から見る日韓文化の違いを探してその意味を映画を早送りや停止画像で説明するなど比較して説明した。討議には字幕と弁士関係、翻案というジャンルに関する時代性、映画音楽などに関するものが主であった。多くの人が集まって関心を見せて下さり、嬉しかった。広島や福岡からも講演を誘われている。もっと分析すべき点も多く出ているので準備をさらに深め、新著になることを目指している。皆で本を書くような気持ちで映画講座を立ち上げたい。その本題は「映像から見る日本帝国」と仮につけてみた。読者からの意見を求めたい。(写真は聴講者たちの表情)