崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

読むということ

2010年09月21日 05時07分00秒 | エッセイ
 今1930年代の二人の論著を読んでいる。二人は同じ時期に活躍した研究者であるが、Aが創造的な発想で研究したが、BはAの成果をほぼ引用せず利用して自分の発想のようにして、第一人者になっていくのである。Aの独創性は認められていない。私はその人のオリジナリティを探してBに影響したこと、さらには二人の人間関係まで想像するようになった。日本では折口信夫と柳田國男の関係に似てるかもしれない。読書とは人に出会うことであろう。今私は二人の研究者を、学者という以前に人間性まで遡って辿って読み取ろうとする。
 秋は読書の季節という。日本人はまだ新聞を読む率が高いという。新聞には事故、事件ばかりではない。その裏の人間の心や考えを読むべきである。今、読書率を高めることと読解力を深める読書三昧の秋に向かっている。