崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

博士号

2010年03月20日 05時23分00秒 | エッセイ
 このたび博士の学位を取得することになった人が遠くから二人挨拶に来られた。一人は韓国芸術綜合大学教授の許栄一氏、もう一人は富山からの佐渡龍己氏である。二人とも博士を取るまでは指導の期間が大分掛った。許氏は博士学位を志して18年かかったと言っていた。夫の海外勤務の時アメリカや日本に在中期間で博士号のために基礎を作り磨きあげたのである。私が自ら握手をして「許博士」と呼んだ。
 佐渡氏はすでにテロに関する著書などで知られているようにイラク、イスラエル、スリランカなどの外交官としての経験の豊かな人であり、それを踏まえて研究を勧めて始まったことである。彼はイスラム過激派の原点になるコーランやハーディスなどからテロイズムを分析した。私は内部からの視点とテロの背景思想を探るように指導をした。彼は涙汲んで感謝を表した。二人共に大いに頑張った。
 もう一人の矢崎氏は「一遍聖絵」の分析したもので本ブログでも紹介したことがある。「聖人」とは何かという中身を探った苦労作である。私の講義を受講したので討議したことも多く、彼女が教諭をしながら良い研究をしたことに賛辞を送る。
 博士号はただの免許書ではない。「学問する学者」として「信頼」を表するものである。彼らが研究を続けながら質の高い教育をすることを期待する。そして博士号取得を心からお祝いする。