崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

半信半疑

2010年03月10日 05時16分17秒 | エッセイ
 長く指導した博士論文の審査を無事に終え、研究室に戻ると転出の同僚が挨拶に来た。年度末で人事異動は例年のことではあるが、別れることは寂しい。しかし本人にとっては新しい職場へ夢を持っていく青年のようにみえた。私が転々と転出、転居したのでその気持ちがわかる。賛辞の言葉を送った。離れて行ったとしても野球で言うと「内野から外野へ」移ることのようなものであると。
 昨日のブログを読んだある同僚が家内のいない私を慰めるために車で家まで送ってくれた。感謝である。帰宅して家内の代役として難事の犬の散歩に出た。朝夕ミミちゃんを散歩させるのは家内の欠かせない日程の一つである。それを私がしなければならない。ミミに首輪をつけて散歩コースに出たが、ある距離まで歩いてからは伏して歩かない。その行き先が不安な様子である。それは家から離れる不安であり、また主人の私への不信でもあると感じた。ミミは家内を絶対的に信頼しながら私には半信半疑な態度をとり、それが伝わった。
 私は人からも「半信半疑」な存在かもしれない。「半信」を「全信」へ変えるとことはできるだろうか。全知全能の神より絶対信頼されることを求めたい心情である。