崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

30年ぶりに電話

2006年06月30日 05時54分46秒 | エッセイ
 30年ほど前に私が韓国の大学に赴任したとき、現在在日民団の論説委員長をしている金淳泰氏は当地ある新聞社の論説委員をしていた。彼は日本で生まれて戦後韓国に引揚た方である。当時、彼は大学では非常勤もしており、そこで私たちは知り合った。時々独裁政権に対する不満を出し合ったことを覚えている。彼も私も波乱万丈のそれぞれの道を歩んで二人とも今は日本に住んでいる。彼が日本に住んでいることを耳にし、電話番号を探して電話をしてみた。本当に久しぶりに話が出来てうれしかった。お互いに、現在を知らないで昔の顔を思い出して昔話をした。懐かしい昔話が延々と続いた。韓国で28年ぶりに南北の母子の再会を思い重ねてみる。その会えなかった時間は断絶ではなく、空洞であった。そしてその関係はすぐつながって、もっと質の高い関係に回復するであろう。私たちの関係はすぐに回復したのである。