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往還日誌(79)






■8月24日、木曜日。

深夜、虫の聲が部屋にまで聞こえてくるようになった。

火曜日、第2詩集『20の物と2つの場の言葉』初校校正と表紙に使用するロミーの原画を七月堂へ返送。水曜日には届いたとの連絡あり。

火曜日の夜、奇跡的に時間が空いて、同志社で社会学を教える先輩K氏と会う。2時間くらい話し込む。愉しかった。

水曜日、寝るとき、やや体調が悪かったので、漢方の麻黄湯を3錠服用。今朝は寝起きの身心がかなり軽かった。意外に、利くものである。

ニコよりNYTに斎藤幸平氏の著作の英訳版SLOW DOWNの書評が出ているとの情報をいただく。未読なので入手したい。

きょうは、午後3時、雷雨あり。かなり激しく雨が降るがすぐに止んだ。

火曜日に入手した竹村玉翠園のくき茶(宇治茶)がかなり美味で驚く。

きょうは、夜、カレーをつくった。オリエンタル・マース・カレー。昭和の味がした。

その後、孤独のグルメ、シーズン3を観る。

夜、公開講座のT氏に電話。京都において、合宿終了時の酸素飽和度が、83%という状態(後で聞くとなんと、下限がその日は60%台)だったので、東京に帰り着いたかどうか確認。

無事ではあった。

ロミーに初秋の龍安寺石庭の画像を数枚送る。お礼に英詩が返ってきた。



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一日一句(3040)







初秋の赤松なんぞ曲がりたる






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一日一句(3039)







真夜中の虫鳴いてゐる死生かな






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一日一句(3038)







かき氷男やもめも悪くなし






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往還日誌(78)






■8月20日、日曜日、

第1回の京都合宿のテクスト、ルカーチ著『歴史と階級意識』第4章「物象化とプロレタリアートの意識」を遅くまで読み、睡眠時間3時間強だった。徒歩で、東一条通りの先の芝蘭会館別館へ向かう。

朝9時から、途中休憩を挟んで12時まで、みっちり、テクストに向かい、徹底的に議論を行う。参加者6名。

いくつか、問題提起したが、一つは、欧州社会が対象であるこのテクストを考えるとき、アフリカ大陸との関りを抜きには議論できない、ということである。15世紀から続いた奴隷貿易と、その後の植民地体制、現在も形を変えて続くCFAフランなどの欧州の新植民地体制を前提にして、商業資本主義も産業資本主義も成立してきたし、現在の金融資本主義や情報資本主義も成立している。

デンマークにおいて欧州で初めて出された1803年の奴隷貿易禁止令は、このとき以降に、産業資本主義、すなわち、産業革命が始まったことを明確に区分するメルクマールになっている。この欧州の「他者」、欧州の「外部」――それはそのまま日本の資本主義における朝鮮半島経営にあてはまる――を、いかに、理論的に組み込むか、という点が、ルカーチの極めて鋭い分析において、比較的弱いのではないか、ということだった。

ルカーチが、経済学者として、マルクスの後継者として高い評価を与えるローザ・ルクセンブルクには、この植民地問題への視角が明確に存在している。

もう一つ、私が面白かったのは、自然科学と社会の関連性について、ルカーチが、そうとは、直接言っていないが、そういうことが現れている部分がある、ということだった。19世紀以来の自然科学で主流の、存在を要素に分解して、それぞれの部分の法則を独自に探求すれば、その存在が理解できるという「要素還元主義」が、産業資本主義の労働過程の疎外・物象化で基礎づけられているのである。

「第一に、労働過程が計算できるものとなるためには、生産物そのものの質的に規定された有機的・非合理的な統一との分裂が必要になる、ということである。めざしている結果のすべてを前もってますます正確に計算するという意味での合理化は、どの複合物をもその要素にきわめて厳密に分解し、それらの要素が生み出される際の特殊な部分法則を研究することによってのみ、達成されうる」(『歴史と階級意識』p170)

これこそ、自然科学が労働手段の研究として、とくに、19世紀以降、顕著に、行ってきたことにほかならない。つまり、この自然科学的研究の方向性を規定してきたのが、人間の労働過程の疎外・物象化だった、ということが言えるのである。

いずれにしても、12月に公開講座で発表するときには、ルカーチのこのテクストは確実に押さえておく必要があることがよくわかった。

お昼は、みなさんと芝蘭会館別館近くの定食屋さんで。トロ鯖の塩焼を注文。たいへん美味だった。赤味噌の味噌汁も佳かった。

夕方、チョコレート・ムースを作る。若宮と道具が異なるので、チョコレートを溶かすとき、お湯がチョコレートに入り込んでしまった。チョコが分離してしまう可能性があるが、3時間後にどうなっているか。

しゃぶしゃぶ用の豚肉の脂身を切って、塩麴に漬けた。

きょうの夕食のイメージとデザートのイメージまではできた。

きょうは、しかし、やることが多く、何を優先すべきか、困っている。

とりあえず、『20の物と2つの場の言葉』の初校の返送をしなくてはならないだろう。かなり遅れてしまった。この詩集も、ルカーチを通過した後に読み返すと、なかなか、思うところがある。つまり、詩と社会の関係は、科学と社会の関係と相似形だという意味で。

このポイントも、今後の詩作上の課題になってゆく予感がある。




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一日一句(3037)







百日紅白しこの世の邪気払ふ






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往還日誌(77)





■8月19日、土曜日。

朝、玄米雑穀のパンケーキを3枚焼く。これは、かなり美味だった。3枚は食べられない。パンケーキは冷蔵保存すると、小麦粉が固くなるので、常温で保存し、夕方に食す。

ここから歩いて、御所を渡り、虎屋まで下がって、西へ。一条戻り橋を渡って、晴明神社を過ぎて、堀川今出川の鶴屋吉信へ。千葉に、お菓子を送る。2階へあがって、宇治大納言を食する。たいへん美味だった。

御所の近衞邸跡休憩所の笹屋伊織の宇治金時スペシャルより若干安く、しかも、美味。好みなので、笹屋伊織の方がいいという人もいるかもしれない。御所の夏の緑を観ながらのかき氷はこれはこれで格別。

友人たちが、京都へ集結。

第1回京都合宿である。

テクストは、ルカーチの『歴史と階級意識』第4章「物象化とプロレタリアートの意識」

夕食は、友人たちと、ライオンキッチンで。木原誠二官房副長官の猥談で盛り上がる。食事中、京都は激しい雨となったが、帰宅時には止んだ。

夜は、ひたすら、ルカーチのテクストと格闘。メモを作る。





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一日一句(3036)







秋蟬に言葉不要の死生あり






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往還日誌(76)







■18日、金曜日。

朝、コインランドリーへ。しかし、マルチ端末でカードにチャージができない。たいへん困った。担当に電話しても、だれもでない。むなしくコールするばかりである。お盆休みなのかもしれない。しかし、マルチ端末のチャージのメニューだけが機能しないのと、お盆は関係がないだろう。実は、きのうもそうで、洗濯を断念した経緯がある。きのうも電話したが、だれも出なかったのである。

メニューに、ポイントを現金化するというのがあって、データ上で、たまったポイントを現金に変換してチャージできる。これで、料金は足りるのでなんとかなった。しかし。なぜ、きのうから、この状況なのに、きのうも今日も、6番と7番は稼働しているのか。現金は使えないのである。

謎である。カードに以前のチャージがかなり残っていたか(これは可能性は低い。一回でたいていは使い切る)、私と同じ方法を使った(ポイントはそれほど簡単にはたまらない)としか思えない。

いずれにしても、釈然としない。いずれ担当に電話して事の次第を解決する。来週が困るからである。

ここから、ランドリ稼働中の1時間で、用事をすべて済ませる。makiへモーニングセットを食べるため行くが、並んでいて、時間がないので断念。

きょうは、京都は曇りだった。

夜は、疲れてしまって、食事を作る気にならず、初めて出前をウェブで注文。便利だが、自分で作った方がはるかに美味いと再確認した。

2015年の映画『海街diary』を観た。非常に佳かった。これは、吉田秋生さんのコミックが原作で、単行本になった時に、話題になったのをよく覚えている。原作は未読だが、読んでみたいと思わせる映画である。4姉妹の誰にもっとも親近感を持つか、あるいは、感情移入できるか、という問題設定すると、面白いかもしれない。この4人の女優さんは、この映画の出演が縁で、今も仲が良いらしい。

もっとも、鮮烈な印象を残したのは、綾瀬はるなさんだろう。この映画には、シーンはないが、この人は、自転車に乗る姿がとても美しい。もっとも上手いなと思ったのが、大竹しのぶさんである。登場の時から、「うわ気持ち悪う」という感じを起させる演技はなかなかである。

吉田秋生さんのコミックが原作で印象の残っている映画は、ほかにも1990年の『櫻の園』がある。これも佳品だと思う。これは2008年に同じ中原俊監督がリメイク版を作っているが、これは観ていない。

明日の朝は、雑穀入り玄米のパンケーキを焼く。ご飯を炊いて冷凍容器の4パックを作る。その他、その他。






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一日一句(3035)







石庭の真上はしづか秋の空







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