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往還日誌(72)







■8月10日、木曜日。

朝、御所を少し歩く。風が吹いている。この風は、やや冷たい秋の風だった。

京都の蟬は熊蟬が半分くらいいるらしい。一定庵は、御所に近いので、御所の方から、朝、シャワーを流したようなシャーという熊蟬の聲が聞こえてくる。油蟬が多く、みんみんが時折交じる関東の蟬の風情とは異なっている。

この油蟬の合唱を背景にしたみんみんの効果は大きく、夏もたけなわという感じがある。

熊蟬の聲は単調だが、どこか水の流れる感じを想起させて、聲に涼しさがにじむ。

珈琲ハウスmakiでルワンダの豆を挽いてもらう。今まで、それなりに、いろいろ珈琲豆は飲んできたが、これはそのどれとも違う。目の覚めるような鮮やかな原色の色彩を持った豆。makiには、珈琲豆だけを遠方から車で買いに来る常連さんもいる。

ここにいると、若宮の夜の3つの高圧鉄塔が幻だったような気になってくる。

それにつれて、若宮で生活した自分も半身が幻になったような気分になる。

「距離」というのは、幻を生み出すものなのかもしれない。

そう言えば、森永のMOWが出町のゑびす屋に置いてあった。抹茶はないが、バニラはあった。





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一日一句(3030)







秋雨は誠こころの中に降る






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