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マスクファシズムと医療現場の苦難について





■歩いて行ける鉄道系資本のスーパーによく行く。4月7日(火)に7都府県に緊急事態宣言が出て、もともとのんびりおっとりした雰囲気の地方都市だが、人の雰囲気は普段と変わらず、大きく変ったことは、マスクをつけないひとがほとんどいなくなったこと、レジのところにビニールシートが設置されてお客さんとレジ打ちの人を隔てるようになったこと、レジ打ちの人がブルーのゴム手袋をするようになったこと、レジに並ぶのに社会的距離を取るようになったである。16日(木)の夜に全国に緊急事態宣言が出されて、やや人の雰囲気が変わってきた。当該のスーパーでマスクをつけていないと、非難するような目つきで見たり、マスクつけろよ、とこそこそ言ったりするように変わってきたのである。

4月11日の段階で、米国のフィラデルフィアの市バスにマスクなしで乗車しようとした市民を、警官が10人以上で引きずりおろす動画が拡散されていた。まるで、テロリストのような扱い方である。

これはマスクファシズムとでも言える事態だが、緊急事態が長期化すれば、日本の現実が、この米国のようにならないとは限らない。こうした事態の背後にはマスク信仰がある。WHOも米国も、当初は、不織布の繊維の隙間はウイルス(約0.1マイクロメートル)より大きく、ほとんどの不織布マスクのフィルターはウイルスを捉えきれないため、マスクは新型コロナウイルスには無意味だと主張してきた。これによって、世界的な市民のマスク争奪戦に意味がなくパニックに陥るのを防止しようとしたのである。

※「病人と看護者以外にマスク推奨せず」 WHO専門家が改めて見解(CNN、2020年3月31日)

ところが、安倍総理と佐伯耕三秘書官が企画して、国民に「布マスク」を一世帯二枚配布すると発表したあたりから、世界の風向きが変わってきた(もちろん、これは偶然の一致で、安倍総理の動向とは関係はないだろう)。4月3日に米国CDCが、布マスクには一定の効果があると見解を変えたのである。

※米国の新型コロナウイルス対策が、一転して「布マスクでも着用すべき」になった理由(WIRED、2020年4月3日)

この見解変更は、マスクに突然効用が生まれたのではなく、CDCのマスク着用推奨のポイントは、「布マスク」である。つまり、医療用のサージカル・マスクが医療現場で逼迫してきたことから、布マスク着用を市民に推奨することで、医療現場の逼迫を緩和しようとしたということだろう。

だが、そもそも、そのサージカル・マスクも、感染者が着用するから効果があるのであり、感染者から医療従事者が身を護るためには、不十分である。N95であれば、ある程度の効果はあるかもしれないが、4月4日に発表されたマスクに関する最新研究でも、家庭用の不織布マスクと変わらないサージカル・マスクでは、感染防御にならないとしている。

※新型コロナ感染症:実は効果あり「マスク」新研究(Yahooニュース、2020年4月3日)

これは何を意味するのだろうか。今、日本の病院で、N95は元より、サージカル・マスクが足りずに大きな問題になっている。中には、白いサージカル・マスクではないと使用できないとか、日本の認証機関の認証がないと使用できないといった、おかしな事態さえ起きている。しかし、そもそも、そのサージカル・マスクが感染防御という点で有効性に確信が持てないとすれば、医療従事者たちは、まるで、メルトダウンした原発に突入を強要されているようなものではないか。

このサージカル・マスクの有効性に関する点に言及するのは、医療従事者の士気を損ない恐怖を煽るので、タブーになっているように思えるが、政権がリーダーシップを発揮して大至急解決すべき重要で深刻な問題だと思われる。








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