『ジョルジュ・サンドの世界 十九世紀フランス女性作家 生誕二百年記念出版』 第三書房2003/9
秋元 千穂 (著), 渡辺 響子 (著), 坂本 千代 (著), 西尾 治子 (著), 吉田 綾 (著), 石橋 美恵子(著), 高岡 尚子 (著), 平井 知香子 (著)
序章 ジョルジュ・サンドの生涯と作品
第一部 女性作家のエクリチュールの戦略
第一章 『アンディヤナ』の戦略――流行作家への道 石橋 美恵子
第二章 『レリヤ』改訂の意図を考える 吉田 綾
第二部 芸術、そして社会へのまなざし
第一章 ジョルジュ・サンドの小説における芸術家像 秋元 千穂
第二章 田園小説四部作に見る、パリと地方と理想郷 高岡 尚子
第三章 ジョルジュ・サンドの作品に見る演劇性 渡辺 響子
第三部 未来への夢――晩年のサンド
第一章 『マドモワゼル・メルケム』に見る理想の女性像 坂本 千代
――三十五年後のサンド流ユートピア
第二章 ジョルジュ・サンドと犬 平井 知香子
――『アンディヤナ』から『犬と聖なる花』まで
第四部 ジョルジュ・サンドの物語世界における「語り手」の意匠
第一章 女性作者の内在的創造戦略と「語り」の手法 西尾 治子
『アンディヤナ』――謎の「語り手」と「私」(je)
第二章 多声的物語世界と「語り」のパラダイム 西尾 治子
――『レリヤ』から『モープラ』へ
第三章 『オラース』――「語り手」と歴史の記憶 西尾 治子
参考文献
ジョルジュ・サンド年譜
索引
http://www.daisan-shobo.co.jp/book/b37459.htmlhttp://www.daisan-shobo.co.jp/book/b37459.html
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『200年目のジョルジュ・サンド: 解釈の最先端と受容史』新評論 2012/5/24
ジョルジュ・サンドについて、現代の日本人は何を知っているだろうか。音楽家ショパンの恋人、男装の麗人、十九世紀のフェミニスト…。波乱に満ちたその長い生涯の間に生み出された作品は膨大な数にのぼり、いまだ邦訳されていないものも多い。だが大正から昭和にかけては、限られた作品数ではあるがサンド作品は広く読まれていた。とりわけ有名な田園小説『愛の妖精』や『魔の沼』は何度も訳され、版を重ねてきた。そして最近では作家の生誕200周年にあたる2004年を機に、最大の傑作とも言われる『歌姫コンシュエロ』をはじめ初訳・新訳が続々と出版され、研究書や論文も活発に発表されるなど、わが国におけるサンド再評価の機運は上昇してきている。加えて、今年はサンドの最初の邦訳(渡邊千冬(ちふゆ)訳『魔ヶ沼』1912)からちょうど100年という節目にあたる。 そこで私たちはこの機会に、過去の豊かな研究成果をふまえつつ独自の花を咲かせている日本のサンド研究の最先端を紹介するとともに、100年に及ぶ受容の歴史を俯瞰し、「サンドを読むことの現代性」を提示したいと考えた。本書を通じて、サンド作品の面白さ・奥深さを一人でも多くの方に知っていただくとともに、作品の背景をなす近代フランスの光と影を吟味することで日本社会再考のヒントをも探ることができればと思う。 本書は「解釈の新しい視座」と「受容の歴史 ジョルジュ・サンドと日本」と題する二つのセクションから構成されている。第一のセクションはさらにジェンダー、芸術、自然という三つのテーマに分かれ、サンドの作品世界を多角的に掘り下げる。翻訳史・研究史・伝記刊行史などを整理した第二のセクションでは、作品と作家の日本における受容の変遷が俯瞰できるようにした。また巻末には邦訳作品解説や年表を付し、資料性の充実にも努めた。仏文研究者はもちろん、サンド研究を志す方々、文学を愛する一般読者の方々にも有益な一冊となることを願っている。
(日本ジョルジュ・サンド学会会員のうちの12名の著者による)
単行本(ソフトカバー): 304ページ
出版社: 新評論 (2012/5/24)
言語: 日本語
ISBN-10: 4794808984
ISBN-13: 978-4794808981
発売日: 2012/5/24
Les héritages de George Sand aux XXe et XXle siècles
Les arts et la politique (全仏文)
日本ジョルジュ・サンド学会 編 慶應義塾大学出版会 2006
本書はジョルジュ・サンド生誕200年を記念して日本ジョルジュ・サンド学会が主催した「ジョルジュ・サンド国際シンポジウム」(2004年10月16日、17日、於 東京日仏会館・東京日仏学院)で研究発表を行ったサンド研究者15名の論文をまとめたもので、「政治」と「芸術」をメインテーマとしている。
▼「ショパンの恋人」「男装の麗人」というイメージで知られている19世紀フランスの女流作家ジョルジュ・サンド(1804~1876)。27歳で、『アンディアナ』で文壇に燦然とデビューして以来、71歳の永眠直前まで執筆活動を続ける。ショパン、リスト、ツルゲーネフ、ドラクロワなど、広い交友関係を持つサンドは、後にプルースト、ドストエフスキー、ブロンデ姉妹にも多大な影響を与えてきた。
本書は、ジョルジュ・サンド生誕200年を記念して開催された国際シンポジウム(2004年秋、東京)の発表論文15本を収載。ジョルジュ・サンド文学が20~21世紀に与えた影響と功績を検証する。日仏のサンド研究者による、多角的な視点からアプローチされた濃密な論文集(全仏文)。
目次
Preambule
Remerciements
Abreviations et sigles dans ce volume
L'art du roman comme acte politique
Francoise van ROSSUM-GUYON
George Sand, une intellectuelle dans la France du XIXe siecle - Sa pensee vue a travers son oeuvre -
Haruko NISHIO ……
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著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【Liste des contributeurs】
Francoise van ROSSUM-GUYON, Universite d'Amsterdam
(フランソワーズ・ヴァン・ロソム・ギュイヨン、アムステルダム大学名誉教授)
Haruko NISHIO, Universite Keio
(西尾治子、慶應義塾大学講師)
Mieko ISHIBASHI, Universite Chikushi-Jogakuen
(石橋美恵子、筑紫女子学園大学名誉教授)
Anne-Marie BARON, Societe des Amis d'Honore de Balzac et de la maison de Balzac
(アンヌ=マリ・バロン、バルザック友の会副会長)
Chikako HIRAI, Universite de Kansai Gaidai
(平井知香子、関西外国語大学助教授)
Nicole SAVY, Bibliotheque litteraire Jacques Doucet
(ニコル・サヴィ、ジャック・ドゥーセ文学図書館担当官)
Naoko TAKAOKA, Universite feminine de Nara
(高岡尚子、奈良女子大学教員)
Kyoko WATANABE, Universite Meiji
(渡辺響子、明治大学助教授)
Chiyo SAKAMOTO, Universite de Kobe
(坂本千代、神戸大学教授)
Beatrice DIDIER, Ecole Normale Superieure (Ulm)
(ベアトリス・ディディエ、エコール・ノルマル・シュペリゥール教授)
Bruno VIARD, Universite de Provence
(ブリュノ・ヴィヤール、プロヴァンス大学教授)
Keiko INADA, Universite Kwansei Gakuin
(稲田啓子、関西学院大学講師)
Kyoko MURATA, Universite prefectorale d'Osaka
(村田京子、大阪府立大学教授)
Chiho AKIMOTO, Universite Keio
(秋元千穂、慶應義塾大学講師)
Jose-Luis DIAZ, Universite Paris 7-Denis Diderot
(ジョゼ=ルイズ・ディアス、パリ第七大学教授)