怪我人と不調の選手が続出して下位に低迷するロッテですが、もうすぐ得意の交流戦がやってきます。
もっとも昨年は終盤に失速してV3を逃したように、あまり楽観はできません。
開幕前にオープン戦の不出来から開幕ダッシュは難しく、何とか交流戦まで5割をキープして脱落しないようにして欲しいと書きました。
ただ正直なところ自分自身の心に保険をかけたような予想で、まさか本当にこんなペースで負け続けるとは思っていませんでした。
だからこそ交流戦で負け越すようですと、心が折れてしまうような気がしてなりません。
何としても浮上のきっかけをつかんでもらう必要があります。
そのために補強に動くべきか否か、ここは考えどころです。
まず最初に思いつくのは捕手の補強、これはロッテファンならずとも気がつくウィークポイントです。
ここ数年はリーグでも最少人数だった捕手陣ですが、かく言う私もそうですが、全日本クラスの里崎と2005年に実績を残した橋本がいれば余程のことがなければ何とかなるだろうと高をくくっていたところがあったと思います。
まさかその余程のこと、里崎と橋本、さらには第三の捕手である田中雅までが故障で1軍から抹消されるなどという可能性を懸念していた人は、日本全国津々浦々を探し回っても誰ひとりとしていなかったはずです。
確かに編成とは万が一のケースを想定すべきで、また少ない捕手陣に手をこまねいていた感はあるものの、誰かを責められる性質のものとは思えません。
よって大事なのは今後をどうするかです。
次世代の正捕手と目される金澤を軸に起用し、万が一のために新里をサポートとする今の布陣で突っ切るという選択が、ロッテらしい一番穏やかなシナリオです。
足首という場所が気がかりではありますが、橋本も早ければ最短の10日で、悪くても半月程度で戻ってこれるのではないかという楽観論がベースにあります。
金澤が早晩リードも含めて行き詰まる可能性があるとは言え、千載一遇のチャンスで貪欲に張り切ってくれるでしょうし、その程度の期間であれば何とか乗り切れるのではないかという期待も込められています。
逆に言えばこのぐらいの期間を乗り切れないようでは、金澤の今後に大きな期待はできないという冷めた見方でもあります。
次に考えつくのは、トレードで他球団から捕手を補強するという選択です。
シーズン中に同一リーグから捕手を獲得することはまず不可能ですので、必然的にターゲットはセントラルの球団となります。
また主戦を張れるクラスではなく、あくまで金澤をサポートしてくれるポジションに適したクラスの選手を対象としたいと考えます。
これは金澤に経験を積ませたいという意味と、主戦を張れるクラスを狙えるほどの選手を放出する余裕はないという現実的な問題を含んでいます。
いずれにせよ橋本の復帰に時間がかかるケースに考えなければならないシナリオです。
選手名鑑をひっくり返して今季に出番がほとんどない捕手を探してみると、対象は巨人の村田と実松、中日の小山と清水将、横浜の新沼、ヤクルトの小野といったところでしょうか。
ただ巨人は阿部が故障がちですので捕手を放出する余裕があるとは思えませんので、残りの4選手をターゲットとすることになります。
望ましいのは清水将であることは衆目の一致するところでしょう。
ロッテ出身ですからチームにもリーグにも馴染みがありますし、1軍での経験も豊富ですから若手のサポート役としては最適でしょう。
かつてレギュラーを務めたチームでサポート役に徹することができるかどうかが問題になりますが、そこをクリアできれば彼以上の適任者はいないと思います。
清水にとってもわだかまりを捨てさえすればコーチとして球団に残れるという道もあるため、願ったり叶ったりではないでしょうか。
鉄平や田上などを無償で放出した太っ腹の中日だけに金銭トレードに応じてくれる可能性もあり、トレード要員に事欠いているロッテにとっては言うことがありません。
他の選手は新沼は個人的にお気に入りであるものの、いずれも1軍経験が不足しているため頭数を揃えるぐらいにしかならない可能性が高く、無理に動いてチーム内を混乱させるほどのメリットはないかもしれません。
最悪なのは里崎が無理をして復帰に踏み切り、症状を悪化させるといったものでしょう。
これだけは絶対に避けなければならず、里崎の手綱をしっかりと握る必要があります。
無理に里崎が復帰してもチーム状態がいきなり好転する可能性は低く、むしろ故障を長引かせることで来年以降に禍根を残す方が怖いです。
こう考えると中日の慈悲にすがるシナリオの現実味は、落合監督が編成を握っていることを考えれば極めて薄いと思われますので、結局は金澤の奮起に期待するしかないというのが結論になるでしょうか。
もし橋本の復帰が遅れるとかなり厳しい事態に陥りますが、金澤のためにシーズンを捨てるぐらいの腹づもりで踏ん張るぐらいの気合いが必要なのかもしれません。
他の補強と言えば外国人となりますが、長くなりましたので次回にしたいと思います。