オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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凄すぎるぞ唐川

2008-05-03 19:07:52 | 千葉ロッテ

チームは5連敗で借金生活に入り、打線も5試合で9得点と1試合あたり2点に満たない援護しかないという悪条件の中で、弱冠18歳の唐川がチームを救う快投を見せてくれました。
プロ2試合目の登板で初の完投勝利を無四球の10奪三振で飾り、ローテーションの座をがっちりと自分のものにしました。

地元出身で高校生BIG3の1人に数えられた唐川ですから、もちろん期待はしていました。
しかしまさか1年目のこんな早い時期から主戦として活躍してくれるとは想像すらしていませんでしたし、想像できていた人は世の中広しと言えども誰1人いなかったと思います。
そのぐらい、唐川のこの活躍ぶりには驚かされっぱなしです。
入団時から素質は抜群とは言われていましたが、由規や中田が紙面を賑わす中で、2軍で育成するとのチームの方針の基で地味な存在とされていました。
しかしオープン戦の最後の最後でファンサービスの意味合いで登板した試合で好投し、久保の不調もあってチャンスを掴んだ唐川には、エースへの一本道が見えているはずです。
いくら力があってもチャンスを活かせずに消えていく選手が多い中で、その力をいかんなく発揮できるということは凄いことです。
だからと言って彼に必要以上の期待をかけて潰すことのないようにして欲しいのですが、中6日を堅持するチーム方針を考えればリスクは低いと思われます。
むしろ気をつけなければいけないのは野球以外で、球団が営業のためにサイン会などに引っ張り回さないことを願いたいところです。

今日の唐川は前回に比べてストレートも高めに抜けることもなく、ほぼ完璧で天晴れなピッチングでした。
たまにボールが先行しても簡単にカウントを整えることができる制球力は、あのお手本とも言われる綺麗なピッチングフォームによるものでしょう。
無駄な四球を出さないことで、三振を奪うタイプの投手にしては球数が少なく済むことが今日の完投を生んでいます。
橋本もストライクゾーンを上下左右に広く使っていましたが、それも唐川のコントロールがあってこそです。
また前回も書きましたが、得意と言われるスライダーよりも、今日は前回より多めに使った落差のあるカーブの方が武器になりそうな気がします。
高めに思わず手が出てしまうほどキレがあるストレートと、球速差のあるカーブとのコンビネーション、そして左右に揺さぶるスライダーがあれば、コントロールを乱さなければ相当やれると思います。
目標はまずは成瀬の実質1年目であった2006年の5勝ですが、今日の唐川を見ればオールスター前にでも達成してしまいそうです。
そろそろ他球団も攻略法を真剣に考え始めるでしょうし、5回前後にいい当たりをされたようにスタミナという課題もあります。
体が出来きる前に実戦をこなすことによる故障も怖いですし、いつかは壁にぶち当たる日もくるでしょう。
しかし唐川ならその壁を越えるごとに大きくなっていく、そんな確信に近い思いを持たせてくれる今日のピッチングでした。

その唐川に「ダメな先輩たち」と思われたくなかったのか、今日は打線が活発に援護しました。
キーマンは西岡、あの初回のヘッドスライディングがチームにカツを入れたと考えます。
走り抜けた方が早いことは周知の事実の中で、あの西岡が泥臭いヘッドスライディングをしたことに大きな意味があります。
今日もマウンドに寄っていって唐川に声をかけるなどチームリーダーとしての自覚がでてきた西岡が導火線となって、湿りきっていた打線に火をつけてくれました。
引退が近いのではと思われるぐらいダメダメの西口の甘いボールを連打したに過ぎない面もありますが、それでもあれだけ打線が繋がったのは久しぶりです。
あの西岡の泥だらけのユニフォームが「お前ら何やってんだよ!」というチームメイトに対するカツのように思えてなりませんでした。

そしてズレータに待望の一発、これが試合を決める大きな要因でした。
あのまま2点で終わっていれば唐川もプレッシャーを感じる重苦しい雰囲気となったでしょうし、ズレータ自身にとっても重しのようなものが外れた気分でしょう。
今季初の3安打猛打賞は大砲を打線に置くべきと考える私にとっては心強いもので、チーム上昇の鍵を握るズレータの復活に向けてきっかけになってくれればと思います。
暴走とも見えたセカンドへのスライディングにもズレータの気合いが感じられ、粘り強く起用し続けたベンチの勝利だと思います。
ところでスタンドからはベンチ前のパフォーマンスは昨年までの「幕張ファイヤー」の様に見えたのですが、実際はどうだったのかがちょっと気になります。

橋本、大塚、根元もいい仕事をしました。
橋本は好調さをアピールする左方向への強い打球で唐川に先取点をプレゼントし、大塚もエンドランを見事に決める流し打ちを見せてくれました。
また根元は久しぶりの出場でノーヒットではありましたが、ボールはしっかりと見えているようで大丈夫だと感じさせてくれました。
核弾頭や主軸がきっちりと仕事をすれば脇役も引き立つもので、また脇役がきっちりと自分の仕事をこなしてこそ得点に繋がるわけで、この両者を繋ぐ役割がベンチワークです。

だからこそ快勝とも言える今日の試合でも、不満も当然ながらあります。
立ち上がりの西口を打ち込みながら、結局ずるずると中盤まで投げさせてしまうのはいつもと同じでした。
ここという場面で1本が出ないのは相変わらずで、7回はルーキー投手が勝手に自滅しただけでロッテ打線が打ち崩したと言うのは早計でしょう。
初回にしても早川は死球で救われただけで、バントを失敗したというミスを犯したことを忘れてはなりません
また6回の根元にもバントをさせるべきで、こういった中途半端な戦略が打線としての繋がりを失わせていることに気づけないバレンタイン監督に苛立ちを感じます。
今日は単に各選手が自分の持ち味を発揮しただけで、ベンチワークで勝ったなどとは思わないで欲しいと思います。

明日は問題の小林宏です。
2試合連続して18歳ルーキーに見事なピッチングを目前でされた小林宏の意地に、今度こそ期待したいと思います。
もし明日も惨めなKOをされるようですと、真剣に浦和での調整を考えるべき時期にきていると考えます。
ずるずると1軍に置き続けたことで1年間を棒に振った昨年の清水の二の舞にしてはなりません。
そんなことにならないよう小林宏の快投を望んでいますし、今日の勢いを明日に繋げられるよう下手に打線をいじらないことを願っています。



1 2 3 4 5 6 7 8 9
西武 0 0 0

0

0 1 0 0 0 1 3 1
千葉ロッテ 5 0 0 0 0 0 5 0 X 10 13 0


◆5月3日(土) 千葉ロッテ-西武7回戦(ロッテ4勝3敗、14時2分、千葉、30,014人
▽勝 唐川 2試合2勝
▽敗 西口 5試合3敗
▽本塁打 ズレータ1号(西口)


▽バッテリー
千葉ロッテ 唐川―橋本
西武 西口、平野、岩崎―細川、銀仁朗

 

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清水が踏ん張りきれず

2008-05-03 10:06:06 | 千葉ロッテ

あまりの睡魔にリビングでごろっと横になったが最後、気がついたら朝になっていたので今頃のレポートです。
昨日も仕事の都合で出足が遅れ、無理すれば8回ぐらいには球場に着けるぐらいの時間に会社を出たのですが、それなりの雨も降っていましたので2試合連続のパスとなりました。
1度欠席をすると欠席癖がつくのですが、ただ昨日に関しては行かなくて正解の試合だったようです。

書くこと、ネタに事欠く試合でした。
何しろ2安打では勝てるわけもなく、雨の中で観戦されたファンの方々には気の毒でなりません。
サブローが復帰して4番に座り、初心に戻ったかのような打線で勝負を挑んだのですが、前回めった打ちにした岸に軽く手玉に取られてしまう体たらくでお話になりません。
これだけ打てないと戦術がどうのというレベルではありませんが、まあバットをただ振っているという普段の野球が結実した感じなのでしょう。

清水もピッチングとしては三振を9つも奪っていたので、ストレートが走っていたのではないかと想像します。
7回までは5安打3失点ですから先発としては充分な内容で、味方の援護が無く8回に崩れたのは仕方がないのかもしれません。
ただエースとして君臨するからには援護があるまで踏ん張って欲しかったのが正直なところですが、復活への途上である清水にそれを求めるのはちょっと酷ですので、次に頑張れとエールを送ることにします。

さて、今日は唐川です。
5連敗中という無用なプレッシャーを与えてしまうことになりましたが、逆にメシアとしての唐川伝説の第1歩の舞台が整ったとも言えます。
雨交じりの天気も何とか試合開始までには持ち直しそうですし、このモヤモヤとしたものを振り払うような快投を期待したいと思います。



1 2 3 4 5 6 7 8 9
西武 0 0 0

2

0 0 1 2 0 5 8 0
千葉ロッテ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0


◆5月2日(金) 千葉ロッテ-西武6回戦(3勝3敗、18時15分、千葉、9,659人
▽勝 岸 6試合3勝1敗
▽敗 清水 6試合3勝3敗
▽本塁打 G.G.佐藤7号(清水)


▽バッテリー
千葉ロッテ 清水、荻野―橋本
西武 岸―細川

 

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