天国と地獄とは今日のような試合のことを言うのでしょう。
小林宏の力投に延長戦での大松の勝ち越しツーラン、誰もがロッテの3連勝を確信したでしょう。
しかし最後の最後に今年のロッテを象徴するプレーが続いてのサヨナラ負け、これ以上の凹む展開はなかなかありません。
小林宏、見事でした。
痙攣で降板した開幕戦も良かったですが、今日が今季ベストピッチングでしょう。
MAX148キロはいつもの眉唾のスピードガンとしても、ストレートに伸びがありました。
そのストレートを軸に変化球もコントロールできており、9回の敬遠が唯一の四球ということが小林宏らしいピッチングであったことを物語っています。
9回の先頭打者である稲田に13球粘られても歩かせなかったこと、これが小林宏の自信に繋がってくれればと思います。
自分としても手応えがあったのか、小林宏の今季の特徴であるマウンド上での苛立つ姿も見られませんでした。
残念ながら勝ち星には繋がりませんでしたが、今日の150球が復活へのきっかけになってくれることを願っています。
その小林宏のナイスピッチングを引き出したのは、金澤のリードであったと思います。
確かに外角中心の安全志向の傾向はありましたが、左打者に対しては内角をえぐっていましたし、橋本と同様に試合を重ねていくうちにストライクゾーンを広く使ったリードをする心の余裕も生まれてくるでしょう。
何より彼のリードの特徴であるのは、ピッチングの基本はストレートとでも考えているのではないかと思えるようなストレート中心の配球です。
先日の清水の時もそうですが、ストレートを決め球としてのリードは里崎や橋本にはあまり見られなかったものです。
小林宏が今日はフォークをワンバウンドさせるケースが少なかったのも、投げた数が少なかったこともありますが、ストレート中心のピッチングで握力の低下が少なく済んだことも理由の1つであると考えます。
普通に考えれば投げすぎで次の登板が心配になるような150球を投げてもストレートは143キロをマークしたことが、効率のよい力配分ができていたことの証左だと思います。
変化球中心のピッチングがストレートの力を落としていたとまでは言いませんが、金澤のリードで各投手のストレートが蘇ってきたように感じますし、金澤がロッテ捕手陣に新しい風を吹き込んでいることは間違いないでしょう。
痛いミスでサヨナラ負けの原因を作ってしまいましたが、これも経験と前向きに考えて、めげずに頑張って欲しいと思います。
もったいない試合を落としました。
内ダルであるのに調子がイマイチなダルビッシュを攻めきれませんでした。
制球に苦しみながらもここぞという時には力のあるストレートを投げ込むダルビッシュですから点を取るのは難しかったとは言え、先日の時と同様にもう少し何とかなったのではないかという思いを拭えません。
打線を珍しく3試合連続同じオーダーとし、序盤からバントをさせるなど采配には問題はなかったと思いますが、選手がその采配に応えることができませんでした。
ボール先行で自らを苦しめるピッチングをしてしまう川崎と荻野、最初からバントの構えをせずに失敗する神戸と西岡、こういった基本的なプレーをきっちりとこなせないことが今のロッテの下位低迷の理由でしょう。
この展開で勝てないということはチームとしての力が足りていないということで、そのことを選手もファンも今日は身をもって実感したのではないかと思います。
それでも小林宏や金澤のバッテリーの粘りや、勝負強い大松のバッティングなど、各選手は見所のあるプレーを見せてくれています。
大松や神戸のファインプレーを見て、選手が一生懸命にやっていることもわかります。
ですからスライディングで送球をやめた西岡や、ためらいがちなスイングをする神戸、相変わらず走りながらのバッティングの早川などへの不満はありますが、それらはメンタル面の問題であるような気がします。
今のロッテに必要なのは、自分に対して自信を持つことではないかと思います。
私が言うのも何ですが、ポジティブシンキングでプレーをすれば持てる力を発揮できるのではないでしょうか。
とにかくオーティズの今にも泣きそうな気弱な顔つきが、今のロッテを象徴しているような気がします。
このイヤな雰囲気を、明日の成瀬の快投で振り払って欲しいところです。
左腕の吉川に対して打線をいじってくることが濃厚ですが、とにかくどんな形でもいいので明日は勝つことが大事です。
金澤にメンタルケアをして明日に引きずらないようにして欲しいですし、今日の悔しさを明日爆発させてくれることを願っています。
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