電脳筆写『 心超臨界 』

悲観論か楽観論かの問いにはこう答える
私の知識は悲観的なものだが私のやる気と希望は楽観的だ
( シュヴァイツァー )

多様な文化を尊重する――片倉もとこ

2024-09-10 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■緊急拡散『2024年8月発表:トランプ前大統領「米国を再び偉大にするための核心的公約20」』
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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グローバリズムはグローバリゼーションの一部分なのに「世界は大きな一つの都市になるべきだ」といった具合に、妙に突出して自己主張する。経済力や軍事力が強い国が強烈に推進しようとするから、画一的で、のっぺらぼうな世界をつくっていく気配がある。多様な文化を尊重し、積極的に取り入れたところは歴史的に見ても活力があった。ローマもモンゴルもオスマントルコもそうだ。日本も新たな異文化を巧みに吸収したことが、世界に冠たる日本文化を築く原動力になったのを忘れてはいけない。


◆多様な文化を尊重する

「画一的な世界作らずに」 片倉もとこ氏(国際日本文化研究センター所長)
国際文化フォーラム・基調講演
( 2005.12.24 日経新聞(朝刊))

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片倉もとこ(かたくら・もとこ)
専門は文化人類学、地理学。中東など世界で学術調査にあたる。
国立民俗学博物館教授、中央大学教授などを経て、2005年、
国際日本文化研究センター所長に就任。
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今ここでお話しする文化とは、例えばナチが国家戦略として使った文化政策というようなものとは全く違う。内省的に語られる、心が内在している文化のことだ。人間一人ひとりが文化の力を持っていて、その力で元気になり、地域が、国家が、地球全体も元気になっていく。そういう性格のものとしてとらえたい。

現世人類に最も近いとされるネアンデルタール人は生活する手段は一応持っていたが、音楽や壁画のような美術、体を飾ったりする民芸品を持たす、言語能力も低かった。そこがホモサピエンスと違うところで、前者が滅亡し、後者が堂々と生き残って今につながっている最大の理由は、文化力つまり創造力の有無にあるのではないか。

文化力と文化の多様性を考える際、三つの視点が必要だ。まず一人ひとりが文化を選ぶ時代が来たということ。二つ目がグローバリゼーション、そして文化の多様性を肯定して、それを抱き込むことで文化力は強くなるということだ。

文化の定義は学者の数ほどある。クローバーとクラックホーンという二人の文化人類学者が膨大な文化の「学説」を整理すると160種類余りになった。文化には暗黙の了解がある。文化とは生活様式である。その核には価値観や思考様式がある、土地ごとに固有で領域的――の三つだ。

多彩で複雑な文化を個人が選べるようになったのはボーダーレス化が進み、大移動時代になったから。人が移動すると、文化はもちろん、技術、金融、思想などさまざまなものが移動する。

日本でも今、20組に1組は国際結婚。異文化の受容に抵抗が薄れ、生活様式も価値観も領域性も揺らいでいるのだ。

これがグローバリゼーションで、私は地域の個性や個人のアイデンティティーと共存している限り肯定したい。厄介なのがグローバリズムだ。

グローバリズムはグローバリゼーションの一部分なのに「世界は大きな一つの都市になるべきだ」といった具合に、妙に突出して自己主張する。経済力や軍事力が強い国が強烈に推進しようとするから、画一的で、のっぺらぼうな世界をつくっていく気配がある。

多様な文化を尊重し、積極的に取り入れたところは歴史的に見ても活力があった。ローマもモンゴルもオスマントルコもそうだ。日本も新たな異文化を巧みに吸収したことが、世界に冠たる日本文化を築く原動力になったのを忘れてはいけない。
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