電脳筆写『 心超臨界 』

現存する良品はすべて創造力の産物である
( ジョン・スチュアート・ミル )

戦後の歴史教育 《 成功を説明していない歴史書 》

2020-03-14 | 04-歴史・文化・社会
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今の日本が世界で有数の豊かな国であることはみんな知っている。そして世界の中の大国の位置にあることも知っている。ところが歴史教科書には、なぜここまで成功したかが一切書かれていない。成功をとげたことの説明がなされていない歴史叙述というのは、歴史ではない。


◆成功を説明していない歴史書

『歴史を裁く愚かさ』
【 西尾幹二、PHP研究所 (2000/01)、p18 】

今の日本人は国民主権というからには、こぞって統治者の感覚、統治者の論理を身につけなくてはならないのではないだろうか。

歴史教科書を書く人々も国民主権を説く立場にあるはずで、ならば、過去の国家を論ずる際にも反政府だけでなく、国家を統治する立場に立ったらどういう困難があり、どういう問題が見えるかに当然意識が向かうべきだろう。

今の日本が世界で有数の豊かな国であることはみんな知っている。そして世界の中の大国の位置にあることも知っている。

ところが歴史教科書には、なぜここまで成功したかが一切書かれていない。成功をとげたことの説明がなされていない歴史叙述というのは、歴史ではない。日本は成功したけれども過去にこのような矛盾があったし、今もなおある。と書くのならまだ分る。が、矛盾だけを書いている。

成功の理由を説明する意味で、近代日本にとって大事なのは明治5年の学生発布であるように思われる。廃藩置県に劣らぬほどこれは重要だ。これによって明治は教育立国としての近代産業国家に転換した。

イギリスの場合には、産業革命が成功して工業化が一定の段階にまで達してから義務教育の就学率が上がっていくのだが、日本の場合にはその逆だった。

イギリスに約1世紀、産業革命の遅れた日本では、工業化が本格化したときには、小学校の普及はほぼ完了していた。教育が先頭に立って工業化・近代化を引っ張ったということを物語っている。これは戦後にも繰り返される。高等学校の進学率の急上昇と経済の高度成長の関係がそれである。

加えて維新直後、士族と平民の階級差が残っていたはずだが、明治政府は士族のための特別な学校をつくらなかった。平民と士族と同じ教室で競争させるというきわめて革新的な政策を断行した。しかるに今の歴史教科書は、近代日本にとってこのうえなく重大なこのポイントになぜかまったく触れない。

これがいかに「革命的」な政策であったかは、ヨーロッパの学校が階級制度に応じて三つに大別され、上流階級と労働者階級と中間層の区別に基づく三分岐型教育制度というものに、百五十年たつ今もなお縛られている事情と比較してみれば分る。

日本の場合にはいち早く、生まれや身分による人間の区別をなくすという能力主義、いわゆるメリトクラシーの路線を敷いた。近代日本が封建体制をこわすことに成功したいちばん大きなポイントはこれである。もちろん、後の時代に学歴主義や受験競争の災いを生むのも同じ制度だが、これは別の話である。

ところが、教科書は明治5年授業料が親の負担になるので各地で小学校設立に反対する一揆が起きた。などといった一過性の話を書くばかりで、学生発布の国民的意義について言及しているものは一社もない。

なかには「政府は、富国強兵の土台をつくるために……学制をさだめ、すべての国民に小学校教育をうけさせようとしました。」(大阪書籍)といった一方的なことしか書いていない例もある。

なぜ日本が他のアジア諸国に比して、これだけ生産量も高く大きな国になり、またたく間に五大強国の一つになり、戦後は世界を代表する経済大国になったか、明治以来の教育はその成功を説明してくれる少なくとも一つの鍵であろう。前にも言った通り、成功を説明できない歴史書というのは意味がない。

しかるに検定教科書は日本のこの成功を単に成功とみなさないばかりか、「犯罪」とさえみなしている。一般国民が果たしてこのような歴史観を共有しているといえるだろうか。

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