電脳筆写『 心超臨界 』

不平等の最悪の形態は
平等でないものを平等にしようとすることである
( アリストテレス )

愚かな者は旅をすることによってもっと愚かになる――紀野一義

2024-07-06 | 03-自己・信念・努力
旅というものはしたほうがよいか。しないほうがよいか。老子は「旅なんかしたってしょうがない、家におればいい」と言った。フランスの文人モンテーニュは「旅をしたほうがいい。賢い人は旅をすることによってもっと賢くなる。愚かな者は旅をすることによってもっと愚かになる」と言った。山頭火は旅をすることによって賢いところはいよいよ賢くなり、愚かなところはいよいよ愚かになった。三浦君はそう言った。 . . . 本文を読む

農業が工業に変わる――丸元淑生

2024-07-06 | 09-生物・生命・自然
インディアナのロチェスターにピーチャー・アーリンダ・エレンという名の乳牛がいるのだが、彼女は305日の測定期間中に71,641キログラムの乳を出した。年間にすれば85,734キロである。企業や科学者たちの関心はいまこの乳牛に向かっている。米国のいくつかの企業は以前から、エレンの子牛の争奪戦をくり広げてきたのだが、科学者たちが研究しているのはエレンの卵子の移植の技術と、遺伝子操作によってエレンを複製するクローン技術である。 . . . 本文を読む

出来損ない山頭火を拾った師――紀野一義

2024-07-06 | 03-自己・信念・努力
人生に絶望し、自分に愛想がつきていた山頭火は熊本市の公会堂の前で泥酔して電車の前に大手をひろげて飛び込んだ。自殺する気だったのかもしれぬ。急停車し、将棋倒しになった乗客たちに袋叩きにあおうとした山頭火を見つけた知人が、群集の中から引きずりだして、報恩時へ連れていってくれたのである。望月師は、理由も問わず、名も問わず、咎(とが)めもせず、泊めてくれ、食を給してくれた。その絶対受動性そのもの、柔軟心そのものの温かさに出来損ない山頭火はうちのめされたのである。 . . . 本文を読む

不都合な真実 《 「佐藤さん、いったいどんな根回しをしたんだ」と鈴木氏は驚いた――佐藤優 》

2024-07-06 | 04-歴史・文化・社会
筆者と親しくするあごひげをはやしたリトアニアの儀典長が「実は、イギリスの外務大臣も来ているんだけれど、向こうにはホテルに泊まってもらい、鈴木宗男政府代表に迎賓館を使ってもらうことにした。僕たちが苦しいときに君たちはほんとうに助けてくれた。感謝している。せめて返礼したい」と言った。 . . . 本文を読む

意味も由来も謎に包まれたまま――アリラン

2024-07-06 | 04-歴史・文化・社会
アリランが南北朝鮮で共通なのは、分断前の20世紀前半、日本の植民地統治下で急速に広まったからだ。しかも、メロディーと歌詞が単純で、苦しさや抵抗、家族との別れ、統一への願い、団結の思いを込めやすいからだといわれる。90年代に入ると、スポーツ国際大会の南北同時入場で、国歌代わりにアリランが演奏された。南北が統一されれば、アリランが新しい国家の最有力候補になるのは確実だ。 . . . 本文を読む

大先輩からのありがたいコメント

2024-07-06 | 03-自己・信念・努力
天風先生の「丼の水はおまえだ」の記事に対して、ブログ一年生というgreat-somethingさんから次のようなコメントをいただきました。great-somethingさんは天風先生の謦咳に直接ふれるという経験もお持ちのようです。something greatをわざとひっくりかえした名前には何か意味があるのかも知れません。 . . . 本文を読む
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いのちのバトンタッチ――鈴木中人

2024-07-06 | 06-愛・家族・幸福
89年2月14日、バレンタインデーの日に長女が授かりました。みなさんも子どもができますと、いろんな想いをもって子どもの名前をつけると思います。ちょっとここで質問です。みなさん名前を持っていますね。お父さん、お母さんが自分の名前をどんな思いでつけてくれたか。それを知っているという人、手を挙げてください。では、知らないという人は手を挙げてください。 . . . 本文を読む

不都合な真実 《 実績残したトランプ氏 対日政策――小森義久 》

2024-07-06 | 05-真相・背景・経緯
トランプ叩きの中でも、否定されにくいのはトランプ前政権のわが日本への政策である。民主党や主要メディアのトランプ政策の否定の中で、対日政策や対日関係だけは触れ難い聖域のようだ。トランプ氏の対外政策を担当した後、仲たがいして一気に全面非難へと転じたジョン・ボルトン元大統領補佐官さえ、回顧録で政権の対日政策が功を奏したことを認めていた。日本側でもこの点への正面からの評価が必要であろう。この作業は日本にとって「トランプ大統領」とは何だったかという総括につながっている。トランプ前政権下では、日米関係はかつてなく良好だったといえよう。 . . . 本文を読む

不都合な真実 《 「国辱」の捜査機関――高山正之 》

2024-07-06 | 05-真相・背景・経緯
岸本義広(よしひろ)派が対立する馬場義続(よしつぐ)派に「売春汚職で自民党の大物宇都宮徳馬が収賄(しゅうわい)した」というガセ情報を流した。間もなく読売新聞がその嘘をでかでか載せた。岸本派は特ダネを書いた立松和博(たてまつかずひろ)記者を逮捕して、締め上げた。だれからネタを買ったか。吐けば馬場派を潰せた。しかし立松は黙秘を通し、のちに自殺した。己の権力争いに公器である新聞を巻き込み、不当逮捕までやった。権力濫用(らんよう)の果てに死者まで出したが、気にもしない。気分はGHQそのままだった。 . . . 本文を読む

不都合な真実 《 ラジオ体操が軍国主義につながる?――高橋洋一 》

2024-07-06 | 05-真相・背景・経緯
ラジオ体操が軍国主義につながるという奇怪な発想をする人がいるらしい。学校教育の現場でも同様の理由でラジオ体操をやめようと主張する人もいるそうだ。そもそもラジオ体操の発祥はアメリカのメットライフという世界最大級の生命保険グループ会社だ。メットライフ生命ホームページには、「『健康に生きる』ことに着目し、多くの人の健康増進を目的として、1925年にニューヨークの本社にあるスタジオからラジオ放送で体操プログラムを流したのが、ラジオ体操の起源」とある。 . . . 本文を読む

不都合な真実 《 「国際競争力」で法人税を下げている国はない――高橋洋一 》

2024-07-06 | 08-経済・企業・リーダーシップ
法人税をなぜ下げるかにはきちんとしたロジックがあります。法人税と所得税は裏腹なのです。なぜ裏腹かというと、唐突かもしれないけど、経済理論のほうがわかりやすいからそれで説明しますね。経済理論では、所得税が完全に取れるなら法人税はゼロ。なぜかというと、所得税が完璧に取れるなら、役員報酬、資産課税、賃金報酬から全部取れる。法人はあってないようなもの。いわゆる社会的に実在するのではなく法律上の目的のために設定されているという法人擬制説なのです。経済理論には擬制説しかありません。 . . . 本文を読む

不都合な真実 《 アフガン急転と緊急事態の対応――篠田英朗 》

2024-07-06 | 05-真相・背景・経緯
深刻なのは、偏見にもとづいて制定されている国内法体系である。「在外邦人等の輸送」を定めた自衛隊法第84条の4は、「緊急事態に際して生命又は身体の保護を要する邦人の輸送の依頼があつた場合」、「当該輸送を安全に実施することができると認めるときは、当該邦人の輸送を行うことができる」とする。一読して矛盾を感じる条項である。もし「安全」が平時と同じ程度にまで確保されていたら、そもそも「緊急事態」ではなく、自衛隊の出動も不要になるはずだ。 . . . 本文を読む

不都合な真実 歴史編 《 スターリンの呪縛——福井義高 》

2024-07-06 | 04-歴史・文化・社会
スターリンは1930年代、ヒトラー率いるナチス・ドイツ台頭を受け、それまでの「社会主義対資本主義」という対立軸を表向き引っ込めて、「民主主義対ファシズム」という公式に基づく人民戦線路線を掲げ、英米仏との共闘を基本方針とする。この方針は1935年のコミンテルン第7回大会で正式に打ち出され、各国の共産主義者は、それまで敵視してきた社会民主主義者や自由主義者と、同じ「民主主義者」として共闘することを命じられた。 . . . 本文を読む

悪魔の思想 《 批判を否定と思いこんだ進歩的文化人――谷沢永一 》

2024-07-06 | 04-歴史・文化・社会
しかるに左翼の論客は根本的に勘違いして、批判とは研究対象である歴史そのものに対して否定の論断をくだすことだと思いこんでしまいました。個人と個人の間において、彼奴(きゃつ)を批判してやる、と意気ごむ場合は、つまりは、その人をけちょんけちょんにやっつけてやる、という攻撃の姿勢に傾きます。しかしながら、それは喧嘩であり対決であって、とても批判と言えたものではありません。本来における批判とは、冷静にして中立的(ニュートラル)な“調査”なのです。 . . . 本文を読む

歴史を裁く愚かさ 《 ドイツが克服したワイマール期の民主主義観——西尾幹二 》

2024-07-06 | 04-歴史・文化・社会
弱い首相は、自分の地位を維持するのに汲々として国内の利益グループの利害調整に心を奪われ、外交的にはしばしば国益に反する行為に走る。わが国の政府が、さきがけと社会党(当時)への遠慮から、韓国の干渉に屈して江藤前総務庁長官その他の閣僚を馘首(かくしゅ)したという事実は、まさにそうしたことの表われである。首相の権限が弱ければ弱いほど民主主義は安泰だというのは今の歪んだ日本の考え方にすぎない。 . . . 本文を読む