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変わる都市の生態系
(9)[オオサンショウウオ]賀茂川で増える中国種
【「ネーチャー・クライシス」09.03.07日経新聞(朝刊)】
京都市内を流れる鴨川には、大雨の後などにオオサンショウウオがよく現れる。山奥の清流にすむ印象が強いが、鴨川の上流の賀茂川には繁殖地もある。
20年ほど前から、灰褐色の皮膚に黒い大きなまだら模様が付いた奇妙な皮膚をもつものが見つかるようになった。茶褐色の皮膚に黒い斑点が広がる従来のタイプとはかなり異なる。中国に生息するチュウゴクオオサンショウウオだ。日本産よりも活動的で、生存競争では手ごわいライバルだ。遺伝的には日本産に近く、雑種が生まれやすい。
松井正文京都大学大学院教授らが2008年に賀茂川でDNAを調べたところ、111匹のうち13%が中国産、44%が日本産と中国産の雑種だった。特に幼生では71%が雑種で、「賀茂川にはほとんど純粋な日本産はいないのではないか」と同教授は懸念する。
オオサンショウウオはすべて国際条約の保護対象、たとえ中国産や雑種でも勝手に駆除はできず、交雑を防ぐのは難しい。中国産は1970年代に食用に輸入されたのが、国内での繁殖のきっかけと考えられている。人間の手によるすみかの移動が、河川の生物多様性に打撃を与えている。
★オオサンショウウオの写真はこちら
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(9)[オオサンショウウオ]賀茂川で増える中国種
【「ネーチャー・クライシス」09.03.07日経新聞(朝刊)】
京都市内を流れる鴨川には、大雨の後などにオオサンショウウオがよく現れる。山奥の清流にすむ印象が強いが、鴨川の上流の賀茂川には繁殖地もある。
20年ほど前から、灰褐色の皮膚に黒い大きなまだら模様が付いた奇妙な皮膚をもつものが見つかるようになった。茶褐色の皮膚に黒い斑点が広がる従来のタイプとはかなり異なる。中国に生息するチュウゴクオオサンショウウオだ。日本産よりも活動的で、生存競争では手ごわいライバルだ。遺伝的には日本産に近く、雑種が生まれやすい。
松井正文京都大学大学院教授らが2008年に賀茂川でDNAを調べたところ、111匹のうち13%が中国産、44%が日本産と中国産の雑種だった。特に幼生では71%が雑種で、「賀茂川にはほとんど純粋な日本産はいないのではないか」と同教授は懸念する。
オオサンショウウオはすべて国際条約の保護対象、たとえ中国産や雑種でも勝手に駆除はできず、交雑を防ぐのは難しい。中国産は1970年代に食用に輸入されたのが、国内での繁殖のきっかけと考えられている。人間の手によるすみかの移動が、河川の生物多様性に打撃を与えている。
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