電脳筆写『 心超臨界 』

悲観論か楽観論かの問いにはこう答える
私の知識は悲観的なものだが私のやる気と希望は楽観的だ
( シュヴァイツァー )

こころの一冊 《「かさどろぼうを追いかけて」――坪内啓子 》

2024-10-24 | 06-愛・家族・幸福
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■緊急拡散宜しく『日本を崩壊へ導く「選択制夫婦別姓」問題』
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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  人生は良書だと思う
  深く入り込めば入るほどより豊かな意味が見えてくる
  ( ハロルド・S・クシュナー )
  I think of life as a good book. The further you get into it,
  the more it begins to make sense.
  ( Harold S. Kushner, American rabbi, 1935- )


梅雨時、傘を置き忘れ、慌てて戻っても見つからなかった経験は、きっと誰にもあるでしょう。けれどもこの本の主人公、キム・チュウのように、傘を捜してどこまでも、まだ行ったことのない所まで追いかけた子はいないのではないでしょうか。


「かさどろぼうを追いかけて」
【 エリナー・エステス・作、田中槇子・絵、谷口由美子・訳、あかね書房 】

子供の必死な気持ち伝わる――福井市立図書館・坪内啓子
(「こころの一冊」09.07.02日経新聞(夕刊))

梅雨時、傘を置き忘れ、慌てて戻っても見つからなかった経験は、きっと誰にもあるでしょう。けれどもこの本の主人公、キム・チュウのように、傘を捜してどこまでも、まだ行ったことのない所まで追いかけた子はいないのではないでしょうか。

キムは9歳。ニューヨークのチャイナタウンの小さなアパートに、お父さん、お母さん、小さな妹、おばあちゃんと住んでいる中国人の女の子です。

ある雨の金曜日、キムは、この家にあるたった1本の、大きな黒い傘をさして図書館に出かけました。竹の柄のついたこのお父さんの傘は、正月祭りのコンテストでお父さんのデザインした竜が優勝し、町長から記念にもらった、特別な傘だったのです。竹の柄の中に、そのことを記した巻物が隠されていました。おばあちゃんは、キムが家族の大事な傘を持っていくのが気に入りません。キムは、傘をなくすはずがないと思ったのですが、本に夢中になり、きれいさっぱり忘れられてしまいます。おばあちゃんにしかられて、図書館に引き返し、必死で捜しますが見つかりません。思いあまったキムが、駅でお父さんの帰りを待っていると、階段の段ごとに古いコインが落ちていました。コインに導かれるようにホームまで上がったキムは、初めて電車に乗って、広いニューヨークの街に出て行きます。

とうとう、お父さんの傘とそっくりの傘を、しっかりと抱えている金持ちの紳士を見つけることができたのです。

傘を捜すキムの必死の気持ちが印象に残ります。初めての経験の中で、キムの不安、興奮、そして喜びが、生き生きと描かれ、思わず引き込まれていきます。同年代の4~5年生にお勧めです。
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