電脳筆写『 心超臨界 』

嫉妬のナイフは詳細を極めて研ぎ澄まされる
( ルース・レンデル )

読むクスリ 《 梅は女――國重正昭 》

2024-08-30 | 05-真相・背景・経緯
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「そこで、下がり枝、戻り枝を生かして切り整えてやります。するとね、枝ぶりが、女、の字のような形になってくるんですよ」。斜めに伸びた幹から出た戻り枝が、く、の字のを作る。下がり枝が、ノ、の形に出てくる。そこへ横に出た枝が、一、として重なって、女、の字に見えてくる。


◆梅は女

『社長を変える魔法―読むクスリ34』
( 上前淳一郎、文藝春秋 (2003/09)、p256 )

「梅の木は、女、の字形に作れ、と昔からいいます」

おっしゃるのは、農水省で長く花木類の育種にあたってこられた農林林業金融公庫技術参与の國重正昭さん。

梅は実を薬にする薬用植物として、中国から古代日本へ入ってきたと考えられている。

まだ寒いうちに凜(りん)として咲く白い花と、清らかなかおりを日本人は愛し。

「万葉集には、梅を詠んだものが百十九首あります。萩の百四十二首についで二番目に多いんです」

どことなく女っぽい色香を感じさせる花でもあるのだけれど、その木を、女、の字形に作るとはどういうことなのだろう。

     *

「ふつう庭木を仕立てるときには、その木が自然に伸びるのを助けてやるように、手入れをします」

ほとんどの木は、上へ、あるいは外へ、枝を伸ばそうとする。

たまに、そんな枝に逆らうように、下へ伸びる「下がり枝」、あるいは内向きに出る「戻り枝」と呼ばれるへそ曲がりが出てくることがある。

このへそ曲がり枝を切り整えてやることで、木は自然で美しい姿に育っていく。

「ところが梅は、樹齢が加わればそれだけ、このセオリー通りにいかなくなるんです」

上へ、外へ伸びようとするより、下がり枝、戻り枝がどんどん出てくる。

そうなるともう、へそ曲がり、とはいっていられなくなり、下がり枝、戻り枝があるのが梅の自然な樹形ということになる。

「そこで、下がり枝、戻り枝を生かして切り整えてやります。するとね、枝ぶりが、女、の字のような形になってくるんですよ」

斜めに伸びた幹から出た戻り枝が、く、の字のを作る。

下がり枝が、ノ、の形に出てくる。

そこへ横に出た枝が、一、として重なって、女、の字に見えてくる。

     *

「ゴッホが浮世絵を模して描いた梅の絵の中に、女、の字形に似た枝の重なりが出てきます」

日本の浮世絵はヨーロッパ印象派の画家たちに大きな影響を与えたが、ゴッホが模写した梅の絵は、歌川広重の『名所江戸百景 亀戸梅屋舗』。

太い枝、細い枝がからみ合った間に白い花が咲いているが、しばらく眺めていると絵の中に、女、の字が隠されているような気がしてくる。

「梅の実を収穫するのが目的の果樹園では、収穫しやすいように枝を整えます。けれども梅の花の名園といわれるところほど、なるべく女字形になるように頭を使って手入れしてあるものなんですよ」

観梅に出かけたらぜひ、女、を探して楽しんで下さい。
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