半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

TPPって何?まあ、その前に農業の問題を整理してみよう③

2011年01月21日 | 自分の時間
③海外はどうなの?

 さて、3回目。なかなか日本では、企業の新規参入は上手くは行っていないようです。。。

 じゃあ、海外の農業事情はどうなのでしょうかね?

 まず、海外の大きな話で行くと、昨日書いたように「ウクライナ」のような肥沃な土地を競って奪い合いが始まっています。 

 既にウクライナで先陣を切っている日本の農家さんがいます。
http://www.farm-biz.co.jp/2010/06/01-070002.php

 NHKスペシャルでも、ウクライナなど海外の土地の争奪戦が特集されたことがあるようです。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/100211.html

 大豆や小麦は外国に頼らざるを得ない日本。穀物こそ世界市場で一番激しい競争を繰り広げられている、かつ、生活にどうしても必要な農産物です。
 そして、世の中の大豆は遺伝子組み換えが爆発的に増えてきています。一方で、日本の消費者は遺伝子組み換えには嫌悪感があるので、どうやって非遺伝子組み換え大豆を確保するか、日本の大手は色々頑張っているようです。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/081019.html

 そんな中で、自国の自給率を上げること、あるいは海外と戦える農産物を作るために、例えば韓国は、いち早く簡単に言えば2カ国間で関税をとっぱらちゃいましょうと、いわゆるFTAを推し進め、農業も例えばパプリカとか、勝負できるものに特化して、競争力の無い野菜は国内自給は放棄し輸入する、といった方針を明確に打ち出しました。
 一時期、日本のパプリカの7割ぐらいは韓国産でした。いわゆる「競争原理にのっとって」マーケットを独占していたのです。まあ逆に言えば、国内だけではやっていけない「貿易依存国」であるため、競争に負けるととたんに大変なことになるリスクが多いのが韓国です。

 韓国やヨーロッパは、90年代から「農家の保護」はやめて、自由に競争をさせる代わりに、所得が足りない分は「直接支払いで補填」という方向を打ち出しています。
 だから、競争にさらされながらも頑張った農家はどんどん規模拡大が続いています。

 そして「有機農業」を推し進めることを政策できちんと決めています。

 日本の有機農産物のシェアは1%も無い中、韓国では
 「この国の10年先を担うのは子供達。そんな子供達に本物を食べさせるべき」
といった方針から、学校給食の材料は有機農産物にする、といった法律を決めることで、韓国の有機農業の面積は今は5%以上になっているそうです。
 イタリアでは9%以上。ドイツ・フランスは20%以上。

 ちなみに、日本では有機JAS認定の費用は農家が自分で出さなければいけません。一方、ヨーロッパは国が払います。

 中国も一部ですが日本以上の管理レベルで国際的にも十分通用する有機農業をやり始めています。

 なんでこんなに海外の政府は頑張っているのか?
 それは、有機農産物のように「国際的に安全性などが保障されている制度にのっとった農産物」を作らないと、これから熾烈になる「国際競争」で、自国の農産物が戦っていけないからです。

 早くから世界の動きの中で、自国の産業の1つである「農業」の10年後を考えている海外諸国。それに対して、国内の中でのみ、保護政策などを議論してきた日本。
 例えば、日本の米を守るために78%の関税相当の貿易障壁を作る代わりに、77万tのお米を毎年輸入を義務付けられているんですよ。海外からそんなに毎年輸入しているのに「価格統制の為の生産調整」といって減反を進めているんですよ、おかしな話じゃありませんか?

 結局、日本は農業を「産業」として見てこれなかったのが一番の問題のようです。

 既に海外諸国は着々と国内の農業の政策を整え、農家の支援政策を打ち出した上で、世界への競争をしかけてきています。
 
 そんな状態で無防備の日本がTPPに入るのって、いったいどうなっちゃうんでしょうね?(続く)


 
コメント
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