半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

神崎 月のとうふの周浦さん

2011年11月22日 | 素敵な人・友人との時間
月曜日、神崎町でお豆腐屋をやられている「月のとうふ」の店主、周浦さんのインタビューに行ってきました。

自分のHPに成田周辺の農家さんや日本文化を伝える食品を作っているみなさんを紹介するページを追加しようとしています。

その流れで、アポを取って取材に行ってきたのでした。


ちなみに「月のとうふ」さんは、知る人ぞ知る豆腐屋さんです。
神崎町は寺田本家さんが有名ですが、ここ2年でオープンした月のとうふさん、福ちゃんパンが出てきたことにより、すんごく活気付いています。

そして「月のとうふ」の豆腐は美味い
地場大豆を使っているため、輸入大豆やふくゆたかという大豆を使っている豆腐より、なんだか甘く、ぷりんぷりんしています

成田の中心にあるボンベルダ百貨店でたまに催事で販売されたり、あるいは千葉市美浜区にある「アースマーケットプレイス」さんでも扱っています。

なので、神崎町から車で40分以上離れた成田の人でも知っている人はわざわざ買いに行きますし、幕張に住んでいる人が知っていたり、と知られているんです。


そんな周浦さんが月の豆腐を神崎町でオープンしたのは、一昨年の9月。

それまでは、会社員務めをずっとしていたのですが、体を壊し、1年ぐらい入退院を繰り返していたそうです。

それまでは外食ばかりだったそうですが、病気をきっかけに自炊をしたり、自然食品店などで買い物をしたり、勉強したりと「食」に目覚めていったそうです。

そういった生活を続ける中で、それまで続けていた仕事をそれほど面白いとは思っていなかったそうですが、病気をきかっけに「今の仕事は自分にあわない」ということを明確に意識するようになり、食に関わる仕事をしたいと考えたそうです。

その候補が「そば屋」「パン屋」そして「豆腐屋」だったそうです。


そば屋は、夜もお店を開かなくてはいけなく、お日様と共に生活をしたいと思っていた考えに合わないので選びませんでした。

パン屋は、天然酵母パンの店もたくさんあり、大手も強く、競争が激しいため参入する市場ではないと判断しました。

残ったのが豆腐屋さん。


以前、寺田本家さんの「お蔵フェスタ」で知りあった方から池袋にある「大桃豆腐」をご紹介いただき、そこで2年修行したそうです。

その後、週1回、大桃豆腐さんのお店がお休みの日に、お店を使わせて頂き豆腐を作り、神崎町の喫茶店「ゆうゆう」、「神山酒店」さんなどでテスト販売をしていきました。

それが好評だったこともあり、お店をオープンすることになったそうです。


ちなみに奥さんは、大桃豆腐さんのお客さんで、池袋の「たまTUKI(たまにはTUKIでも眺めましょ)」での飲み友達でもあったそうです。


さて、面白いのが周浦さんは「豆腐は好きじゃなかった」ということ。

「昔、僕達が食べていた豆腐って美味しくなかったですよね?」

といわれ、確かに自分が小さい頃の豆腐は美味しくなかったことを思い出しました。


私も豆腐業界に少しタッチしていたこともあります。なので、豆乳の濃度を極力薄めて大豆の原材料費を落とし、グルコノデルタラクトンという凝固剤で固めた、あの何か酸っぱい感じの、舌の上でねちゃねちゃする美味しくない豆腐が、「豆腐嫌い」を生んでいると言われれば、そうだな~と思います。

なんだか、野菜と同じだね。。。


周浦さんのお話では「美味しい豆腐を豆腐屋さんが作り続けていたら、これほど豆腐業界は減っていかなかったかも」とのこと。


確かに。


私達が子供の頃、スーパーが全盛を迎えた頃、それぞれの味を出してきた商店の豆腐屋さんに、豆腐をおろしてくれるようスーパーから依頼があったそうです。もう作れば作るほど売れたそうで、その波にのった豆腐屋さんは、かなりの財を築いたそうです。

そして、大量生産の食品ばかりを食べていたから、私達の舌はおとろえ、そして何より美味しくないものを作ってきたがゆえに、お客さんがその商品から離れていった。。。これは豆腐業界に限らず、食品業界全てに当てはまる現象なんでしょうね。


月のとうふさんの豆腐が美味しいのは、「美味しいものを作りたい」という純粋な想いがある周浦さんが、美味しい地場大豆を使って作っているから。「豆腐の味はほとんど大豆で決まりますよ」と周浦さんは言います。

そして、ふと、今の私の周りには美味しいものが溢れているな~。


月のとうふさんのとうふ、自分の手作り味噌、寺田さんの酒、農家さんのとれたて野菜・・・生産と消費の場が顔が見える範囲、目が届く範囲であれば、美味しいものばかり

そして、そういった地域の小さな経済は、商店主が生きていける程度にはきちんと周るんですよね。

話が脱線しましたが、「普通のビジネスマンの感覚」「食品に対する知識と意識」がある人が、豆腐屋をやるとこうなるんだ、というのが周浦さんの月のとうふなんでしょうね。


周浦さんは「神崎町に納豆屋も欲しい」といいます。


町に1つ1つ、少し前に当たり前にあった商店が復活して行く流れ、本当に素晴らしいと思います。

美味しいものをちゃんと作れば、お客さんがつく時代になった、そういった地域が出てきた、ということなんですよね。


「月のとうふ」、一度食べてみたい人は、宅急便で送りますよ

1丁200円ですが、東京で買ったら300円台で売っている豆腐レベルです。

リピーターがつくのもわかります。

もちろん、みなさんの地元に美味しい豆腐屋さんがあれば、やっぱり地元のものを買うのが一番だと思いますよ。

そういった「時代意識」を持った人が年々増えていると感じます。


ともあれ、神崎方面にお越しの方は、是非「月のとうふ」にお立ち寄り下さい


P・S 普通に食べた方が美味しいのですが、奥さんが月のとうふさんの豆乳で「具だくさん豆乳スープ」と、「とうふの塩麹漬け」を作ってくれました。もちろん絶品でした

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