半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

改めて緑の食糧システム戦略

2021年07月27日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

進路が変な台風が来ましたが、風もそれほど強く無くてよかったです。風が吹くと実野菜、特にナスなどは揺さぶられる時に皮が枝などにすれて傷物になってしまうんですね。そういう意味で農の現場では「畑はパサパサだから雨は恵みだけど、風はあんまり吹いて欲しくないな~」という感じでした。
 また、今はちょうど人参の種まき時期です。人参の発芽には水が必要なのですが、昔のように3日に1回は夕立があったのですが、もうこの10年、夕立が無くなってしまったので水をひたすら散水しなくてはならないのです。そういう意味で、まさにこの時期に雨が降ったので、タイミングよくマルチをはがして種蒔き前の畝に恵みの雨を染み渡らすことが出来た農家さんは、一仕事手間が減って喜んでいます。

 さて、先週も書きましたが農林水産省の「みどりの食糧システム戦略」について情報共有です。農業の世界は農薬や化学肥料を使う農業が一般的であるとして「慣行農法」と呼びます。しかし、有機農業の現場からしたら、戦前まで長年、化学物質を使わなかった農業こそ一般的な「慣行農法」で、農薬などを使う農業を化学農法と呼ぶべきだ、なんて意見もあります。
 いずれにしろ農薬を使う慣行農法によって、現場の手間が格段に減り、産地化、単一作物の大量生産が推し進められました。しかし、欧米では「ノーケミカル(化学物質を使わない)」が広がっており、日本にもノーケミカルの商品をきちんと買わせるための外圧で「有機JAS法」が20年前ぐらいに成立しました。しかしほとんど広がらず、むしろネオニコチノイド系殺虫剤やグリホサート系除草剤の使用量が「規制緩和」の下、ものによっては10使っても良い、といった状態になってしまいました。

 こんな感じで有機農業後進国の日本でしたが、世界ではよりオーガニックな世界を環境面からも推し進めようという流れがあり、農林水産省も戦略を掲げた、ということです。化学肥料、化学農薬というのは産出、運搬、施用後の環境放出で温暖化の主たる原因の1つとなっています。有機肥料も施用後の環境放出はあるのですが、有機物を地中に戻すという意味で環境負荷が少ない農業となっています。また、農薬は生態系を破壊します。こんなことから、日本でも2050年までという長期目標ではあるのですが、「ネオニコノイドチ系を含む従来の殺虫剤に代わる新規農薬等の開発により化学農薬の使用量を50%低減。化学肥料の使用量を30%低減。耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%に拡大」というものです。また、ちなみに、H21からH30の10年間で有機農業の面積は45%も増加したのですが、日本全部の耕地面積からすると「0.4%から0.5%と0.1%増えただけ」です。これからもっと広がれば良いな、と思います。

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