半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

5年、10年かければ菌も定着

2024年06月12日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 みなさん、美味しく安全なお米を食べていますか?。田んぼ教室のパートナーの米農家の根本さんのお米はネオニコチノイドフリーで、令和3年度には農協の食味コンテストで千葉県1位を獲得した折り紙つきです。

 今はお米を食べない時代になったので、利根川沿いの根本さんが住む地域の田んぼは、半分以上が家畜用のエサ用になっています。人間が食べるお米を作っても値段がどんどん下がっているので、補助金目当てで農業法人がひたすらエサ用の作付けをしているからです。

 また、根本さんの地域で専業農家は根本さんだけで、全国的にもそういったところは増えてきています。今や稲を健康に育て、安心して食べられる美味しいお米作りを目指す農家は少なくなってしまいました。

 ただ、一部のまじめな農家はより良いお米を作ろうと頑張っています。根本さんもその一人で、私が龍ケ崎市で日本でトップレベルのお米を作っている関口さんという農家さんを昨年紹介してから、そこの勉強会に通い始めさらに技術を上げています。

 先週は稲作の世界では有名な薄井先生の勉強会でした

 薄井先生は福島出身で300年以上続く農家の8代目。味はもちろん1反で600㎏超えを悠々と達成している徳農家です。1反というのは田んぼの単位で1000㎡≒300坪です。

 通常、ここで8俵(480㎏)とれたら豊作なのですが、600㎏というと9俵以上ですから凄い量です。しかも87歳でかくしゃくとしていて、話すことも論理的。しかも田んぼを現役バリバリでやっていて「今の人達は稲を観察せずに、自分が楽をしようとばかりして働きませんね、あれでも百姓か?って。私は稲を見て必要なことをやっているんです」と、日の出と共に働き始めます。

 薄井先生を師と仰ぐ70歳代の関口さんは「薄井先生があの年で頑張っているんだから、俺もまだまだだ」と言いながら負けじと働いています。そんな姿を見て、根本さんも「あの年齢であそこまで動けるイメージがわかないよ。本当に昔の人は働き者だよね」と感嘆しています

 そんな薄井先生の田んぼには、光合成細菌が住み着いているそうです。

 光合成細菌というのは、例えば金魚の水槽内の腐敗物を食べてきれいにしてくれる菌としても知られています。田んぼはもちろん、水たまりや池などあちこちに住み着いていますが、10年ぐらい毎年入れ続けると土着菌として完全に定着するので、薄井先生の田んぼの色は光合成細菌の特徴で赤茶色っぽいそうです。

 また、関口さんは納豆菌や酵母菌を田んぼに入れているのですが、根本さんに対して「俺の田んぼのようになるには5年だな」と言っていました。

 長年かければ菌も土着する。面白いですね~

 先週も書きましたが、自然界はもちろん人間の腸内にも数えきれないほどの微生物が住み着いています。

 例えば、ヨーグルトなどの乳酸菌は日本の風土には合わず、牛乳を分解できず下痢してしまう人が多い日本人にとっては、風土に根差した漬物などの植物性乳酸菌の方が合っているという話があります。また外部からの菌は腸内に住み着かず日和見菌を善玉菌に傾かせるだけなので取り続けなくてはいけないとも。

 ただ、田んぼも5年、10年で変わるように、もしかしたら人間の腸も5年、10年とある特有の菌を取り続けたら腸内の常在菌のバランスも変わるのかもしれませんね。

 そう思うと、昔の日本人の食卓には、漬物、味噌汁は当たり前で納豆などの発酵食品も今の日本人の食卓よりはるかに多かったわけで、今の長老と呼ばれる年代の方々の腸内には、今の私たち、あるいは子供たちの腸とは全く違う微生物の生態系が出来あがっているのかもしれませんね

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