駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

不惑の奇跡を

2021年02月14日 | undefined
         

 将棋の山崎隆之が四十歳にしてA級に昇級した。早くから才能を高く評価されながらビタミンVが足りないのかタイトルやA級に手が届かなかったが、ここに来て一花咲かせる雰囲気を醸し出している。将棋で四十歳は力が衰え始める年齢で、本当に花を咲かせられれば奇跡なのだが、奇跡を目にしたい。
 将棋界に名伯楽と呼びたい森信夫という棋士が居り、彼が山崎の師匠になる。三十年ほど前私が将棋に興味を持ち始めた頃、森信雄は現役で大活躍していたというのは嘘で、確かに現役ではあったがタイトル戦に出るわけでもなく冴えんとつぶやく並の成績の棋士だったのだが、村山聖の師匠として紙面に登場するようになり私の知るところとなった。この森信雄氏はなんとも不思議な味わい深い人物で、いつか取り上げてみたいが、まずは現役で漸くA級に上がってくれた山崎隆之を応援をしたい。
 山崎隆之八段は師匠に劣らずユニークで、類い希な将棋の才能を持ちながら大輪の咲かすことなく不惑を迎えてしまった。弱気と強気というか謙遜と傲慢が入り交じった将棋観の持ち主のようで、ファンと周囲の期待に添えずA級に上がるのが遅れたと思う。不惑の四十歳、惑うことなく一心不乱に将棋に向き合い、タイトルを取ってくれと応援する。
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