駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

君知るや南の国

2016年07月29日 | 小考

  

 今朝は久し振りの夏空で蝉しぐれを聞きながら駅まで歩いた。たかだか標高20mばかりの当地だが、高原の夏の感じで蒸し暑さはさほどでもなく、本当に今年の夏は暑く長引くのだろうかと肌感覚で疑問が浮かんだ。

 夏は命はじける子供や若者の季節なのだが、命萎む高齢者が思いを巡らす季節でもある。お盆があるせいか、8月6日9日そして15日と太平洋戦争を思い出す日があるせいか、過ぎし昔を思い出させる夏の日差しがある。

 日本ほど忘れっぽい国も少ない。先日、医師会の友人達と会食をしていて、本土の人は沖縄のことを知らないという話になった。彼は別に革新的という訳ではなく(そうした医師会員は少ない)平均的な自見さんを応援する医師だが、沖縄の歴史を考えれば、沖縄の新聞はけしからんつぶしてしまえと言うのはおかしい、沖縄の立場を無視していると言われた。どうも後輩に沖縄出身の医師が居て、いろんな話を聞いておられたようだ。確かに君知るや南の国と言われても、沖縄出身の濃い顔の歌手達が思い浮かべられる程度で、沖縄って南の島でしょ県なのと言う恐るべき島国日本の感覚がある。

 広く深い知識の深さには歴史という時間軸も含まれている。そうした知識をいくらかでも身に付けて過ぎ越し方と霞む明日を自分で考えてみる季節、それは夏だと思う。じりじりと汗がにじむ暑さで頭が回らないようでいて、実は大きくものが見え考えられる季節なのだとバカボン親父の息子の友達の友達は言いたい。

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