駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

忘年会の幻

2009年12月11日 | 身辺記
 春や夏の雨は風情があってさほど嫌ではないが、十二月の冷たい雨の中を歩いて出勤するのは楽しくない。しかも起き抜けに電話、急変かと思えば「何時からやっていますか」。などととぼけた問いあわせ、今日はどうもさい先が悪い。
 昨夜は内科幹事会の忘年会で河豚を食べた。といっても東京の河豚ほど値は張らない。「おい、何処の河豚だ」。と仲居に聞いても「さあちょっと」と心許ない。O先生「そこいらで捕れたじゃないか、これでも昔は下関に送って、玄界灘の河豚だと言ってたんだよ」。と怪しげな解説をしてくれる。産地不明と聞いて急にもう一つの味に思えるのも情けない。
 まあ、この値段じゃと「東京じゃあ、高いんだよね」。Y先生「俺、食べたことあるよ」。片手を出して「これだけ」と言う。とても自分にはと思う。
 たかだか5,6キロしか離れていなくても、市内で新型インフルエンザに対する患者さんの反応が違うのを知った。I先生「俺んところは、殆ど申し込みの電話がないよ」。「え、どうして」。「俺も打ってないし、職員も誰も打ってない。副作用が出ると言ったんだ」。「へえー」。とは言ったものの、内心は?。
 「先生は?」。「勿論、打ったんだけど、人数分来ないから事務員を優先したよ」。W先生「ああ、それ。うちは事務員を看護婦として請求したからちゃんと人数分来たよ」。と裏道を教えてくれる。驚いた顔をすると「わかりゃしない」」と涼しい顔。
 なんというか前線で現実に起きていることは、こういうことなんだろうと思う。六十前後の大人の言動だから、どの業界も推して知るべし。
 もっとも別に告発する意味は毛頭なく、この忘年会も現実にあったことかはっきりしない。幻の忘年会の見聞だったような気がする。
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