臥床している時間が長いと思い洋書のサスペンスを一冊持ち込んだのだが、結局碌に読まないうちに無事退院できることになった。碌に読めなかったのは術後数日思ったより体調が悪かったことと、どうも残虐な描写が多くて生理的に受けつけなかったせいだ。
この頃は人種の違いなどと書きにくい時代になったが、それでも人種的な差かなと感じたのは何度も残虐な方法で人が殺される場面が出てくることだ。いくらサスペンスでも、簡単に人が殺されしかも露骨な描写にちょっと辟易した。日本ではここまで具体的に書かない気がする。尤もシャーロックホームズなどには残虐な描写はほとんどないので時代の変化があるのかもしれない。体調が万全になれば感じ方が変わり、プロットに注目して続きを読めるかもしれない。
外交というものの実態をよく知らないけれども、こうしたミステリーに触れて懸念を感じた。金髪の野獣などというとクレームが入るかも知れないがそうした要素もある欧米人と互角に渡り合って粘り強い五分の交渉が出来ているだろうかと気になる。岸田さんはこの頃肩を揺すって歩いて強がっているようだが、力んで空振りしそうで心許ない。