駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

丘の上ではなく麓の

2017年01月11日 | 小験

      

 当院は処方箋を発行している。診察の後、薬局から電話が掛かってくる。錠剤が飲めないそうです。粉薬が飲めないそうです。えっ、いい大人がどういうことだろう。何故それを診察の時に言わないのか。

 成人の日の朝電話が鳴る。「今日はやっていますか?」、「今日は祭日ですからお休みです」。朝のしじまを破られ、電話を取りに腰を上げる身にもなって欲しい。

 朝の四時に電話が鳴る、M婆さんが亡くなったのかなと寝ぼけ眼で、受話器を取ると「子供が熱が出たから診てくれ」と訳の分からない電話だ。「えっどこに電話しているの」、「**内科でしょ」、「ええそうですけど、何でうちに」、「お宅当番医でしょ」、「当番医は朝の八時から夜の七時まで、夜は当番の総合病院へ行ってください」、「えっ、そうなの」カチャ。お母さん、腹が立つと眠れなくなるのをご存じか?だいたい当院は子供は診ないのだ。

 随分飛躍するようだが、民主主義って何だと聞きたくなる。一体何故知能を宿した生物は圧政迫害搾取の苦難に血を流し、民主主義という果実を見出したのだろう。その果実も、阿Qどころか、丘の麓の歴史も知らず考えることを忘れたふつつか者に踏みつぶされてしまう。

 大袈裟と言えば大袈裟、過剰かもしれんが、しかしなあ。もう一度繰り返すことになる。 

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