駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

何が足りないのだろうか

2008年01月21日 | 診療
 風邪を起こすウイルスは数え方に依って多少違うがまあ200種類くらいある。それに同じウイルスに感染しても症状は人によって微妙に異なる。つまり風邪症状は原因ウイルス数x個体偏差というスペクトルに広がっている。しかも同一人物でもその時の体調や年齢で症状や経過は異なってくる。
 そして評価も千差万別、同じような経過で治癒しても、感謝される人不満げな人といろいろ。病気とは直接関係ないが、4、50分お待たせすると、急いでいるのにと受付でお怒りの方から、皆さんお待ちですからと気を遣ってくださる方までさまざま。
 それを人は多様なものと受け入れていくのだが、希に大きく常識を越えて反応される方が居ると、同じようにさせて頂いているのにどうしてと思う。しかしどうしてと思っているのが所作に出ると火に油を注ぐことがある。先輩に穏やかに落ち着いて対応するように指導されたが、なかなか難しい。年に一人くらい、お薬を変えるよりも医者を変えた方が良いのではと申し上げることもある。
 極端な例を挙げたが、行き違いによるトラブルの根底に医療に対する理解不足があると思う。時代の流れが僅かに医療者側にフォロウに変わってきた感じはするが、現実には医療者の説明不足を批判する声が大きい。そうしたマスコミと患者さんの声により、随分と医療者の対応が変化してきているのだが、評価いただいているだろうか。
 医療者側からも申し上げたいことがある。それは1.医学は科学であるということ。2.医療には患者さん自身の協力が欠かせないこと。3.医療従事者も人間であること。 の三つを理解して欲しいということだ。医師はなぜかトリアスといって三が好きなので、三つにまとめてみた。
 
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