時々、暮らしの手帖を読んでいる。六十年近い昔のことだが、母が読んでいたので、商品比較の記事などを子供心に成る程と読んでいた。確か、それを参考に電気製品を買ったこともあったような気もする。母に花森安治はスカートを履いている変わった人だと聞き、気持ち悪いと思った記憶は鮮明だ。成人してからも、暮らしの手帖の存在を忘れたことはなく、目にすれば手に取ってきた。暮らしの手帖社出版の料理の参考書は何冊も持っている。
定期的に購入するようになったのはこの四五年のことだ。きっかけはたまに夕食を食べに行く店に数冊暮らしの手帖が置いてあり、読んでいるうちに懐かしく、手元に置きたいと思ったからだ。
ずーっと定期的に購入しておられる方も数多いだろう。誕生から六十九年、なにがしかの変化はあるのだろうが、明らかに暮らしの手帖の香りと言うべきものが残っている。これは六十年前の記憶がある人間の感想だから間違いない。それは私の様な者には懐かしく昔を思い出す縁であり、現在の内容も貴重な暮らしの情報と声を伝えてくれる。この優れた雑誌の伝統には花森安治と大橋鎭子の個性の与るところが大きいと聞くが、出版編集に携わってきた数多くの社員と読者の力も大きいだろう。
花森安治にはどうもその怪異な風貌から親しみを覚えることが出来なかったが、津野海太郎さんが花森安治伝を書かれたので読んでみたいと思う。またその感想をいつかブログに書いてみよう。
私も母が定期購読をしていたので、子供の頃から馴染んでました
揺るぎのない、偏らない商品比較は良かったですね。
私は素敵なあなたにという、コーナーが好きで、後年本になったのを持っていました。
今はいろんな方が書いておられるようですね。
暮しの手帖の凄いのは記事が色褪せないことです。