以前四つも五つも入っていた学会も少しづつ減らし今は内科学会だけ、あとは職種の日本医師会に所属しているだけで随分すっきりした。医学雑誌の購読も医事新報(週刊)だけにしたので、月に送っている会誌は六冊に減った。以前は月に十二冊ほどあり目を通すのが大変だった。勿論、六冊でも十分な量だが。このほかに時々、本屋に行ったり書評を読んだりして参考になりそうな専門書を購入する。一般の本の三、四倍の値段がするが、一つでも診療に役立つことがあれば良いと買ってしまう。元々医学書は高いという先入観があるので、五千円と言われてもそんなものかと支払ってしまう。旅行ガイドブックや料理本なら精々千数百円までで、実際そうした本はそのように値段が設定されている。
なぜ医学書がこんなに高いのか誰か調べてせめて二三割でも安くしてくれないかと思う。よく発行部数が少ないからと聞くが大抵のものは数千部は売れていると思う。一万部以上売れると思われる内科学の教科書などでも三、四万円と驚く値段だ。医学書は古くなると価値がなくなるので古本屋も二束三文でしか買ってくれない。高価という伝統?と仕事のためという流れで支払ってきたが、悪しき伝統のような気がする。医療費削減には医師の能力維持向上にかかる費用を軽減することも含まれると思う。