スキャンダルがなくおそらく特に嫌う議員も居ない肝っ玉の据わった上川外務大臣は石破という世間の観測とは異なり自民党内では次期総理として一番人気だったようだ。確かに癖のない常識人でバランスが取れている感じがして、手垢のついた俺が俺がという男性議員よりも安全で好感度という意味で瓢箪から駒の可能性があった。しかし生まずして何が女性かというのは、自己責任で弱者を退ける自民党体質を持っておられたことを示唆しており、好感度が下がった。迂闊と言うか思い余って口が滑った面はあると思うが、そういう感覚があったのは否めない。
私も四十歳を過ぎて市井の医者になって往診をして初めて貧しく恵まれないのは自己責任と切り捨てられないと知った。誰もが精一杯生きている。勿論、他人から見れば努力が足りないように見える時見える所はあるけれども、それよりもこの環境でよく頑張っているなあという人の方が圧倒的に多い。退けるべきは今だけ自分だけ金だけの悪ると狡ると申し上げたい。