ドラマ『オリエント急行殺人事件』第2夜
クリスティー作品のなかでもっとも有名な二つの長編――
『アクロイド殺し』と『オリエント急行の殺人』――の創作
プロセスに関するメモが何ひとつ残されていないのは、
まことに残念である。この二つはきわめて大胆不敵な構成の
作品なので、舞台裏をのぞくことができれば、誰もが魅了
されただろうに。
ジョン・カラン『アガサ・クリスティーの秘密ノート(上)』P.71
*****
というわけで、創作の舞台裏ではありませんが
犯行の舞台裏を描いた第2夜でございました。
前夜に引き続き楽しかった!
ただ二晩続けて夜更かししたので寝不足気味で、今日は辛かった(^^;
ちょっと心配していたのが、三谷さん的ドタバタに陥らないか、
ということだったのですが、そんなこともなく(多少気配はありましたが)。
草笛光子さんは言うに及ばず、松嶋菜々子さんが相変わらず素敵でしたv
八木亜希子さんは、イングリッド・バーグマンがアカデミー賞を獲得した役ですからね。
地味なようでいて、実はもうけ役だったりするのです。
そして…個人的に一番印象に残ったのは、
能登大佐が馬場先生を「大石内蔵助」と呼ぶところでした。
なんか合点がいったというか。
なぜ数あるクリスティー作品の中でも『オリエント急行』だったのか。
三谷さんならむしろ『そして誰もいなくなった』の方が似合う気もするのですが。
(そして、そっちでもオールスターキャストは成立するのですが)
これは三谷さんからの、デビッド・スーシェ版に対する返答だったのではないでしょうか。
古典的ミステリを壮絶な問題作に変えてみせたスーシェ版は、
この作品に新しい光を当てて、異様な魅力を放っているのですが、
三谷さんは「原作に忠実にやったら、これって『忠臣蔵』だよね」
「古典には古典の愉しみ方があるよね」っていう解釈をしたんじゃないかと思います。
私の勝手な思い込みですが!
そして『忠臣蔵』であれば、討ち入りの前の話も見たいですよね。
だから第2夜で前日譚を描こうとなったのではないでしょうか。
私、当初は「語らないことで生み出されるイメージの豊穣さ」
(殺害シーンに5年間を凝縮させた映画版はやっぱり秀逸だったので)
について書こうと思っていたんですけど(つまり第2夜不要論)(^^;
上記のように考えると、すとんと納得できたのでした。
【追記1/14】
ちょっと言葉足らずですみません。
第2夜、面白かったし楽しかったんですよ!もちろん。
でも、蛇足かなあ、と思う面もあった、ということなんです。
語らない方が、より悲劇的なイメージだったような気がしたので。
だけど、上記のように考えると、三谷さんが作りたかった気持ちも
すごくよくわかるし、原作をすごく読み込んでいらっしゃることも
とても伝わってきました、ということが言いたかったんです(^^;
というわけで、今度は『そして誰もいなくなった』やってくれませんか三谷さんv
それも戯曲版ではなく原作バージョンで!
(戯曲を元にしたルネ・クレール監督作も、結構コミカルだったことですし)
クリスティー作品のなかでもっとも有名な二つの長編――
『アクロイド殺し』と『オリエント急行の殺人』――の創作
プロセスに関するメモが何ひとつ残されていないのは、
まことに残念である。この二つはきわめて大胆不敵な構成の
作品なので、舞台裏をのぞくことができれば、誰もが魅了
されただろうに。
ジョン・カラン『アガサ・クリスティーの秘密ノート(上)』P.71
*****
というわけで、創作の舞台裏ではありませんが
犯行の舞台裏を描いた第2夜でございました。
前夜に引き続き楽しかった!
ただ二晩続けて夜更かししたので寝不足気味で、今日は辛かった(^^;
ちょっと心配していたのが、三谷さん的ドタバタに陥らないか、
ということだったのですが、そんなこともなく(多少気配はありましたが)。
草笛光子さんは言うに及ばず、松嶋菜々子さんが相変わらず素敵でしたv
八木亜希子さんは、イングリッド・バーグマンがアカデミー賞を獲得した役ですからね。
地味なようでいて、実はもうけ役だったりするのです。
そして…個人的に一番印象に残ったのは、
能登大佐が馬場先生を「大石内蔵助」と呼ぶところでした。
なんか合点がいったというか。
なぜ数あるクリスティー作品の中でも『オリエント急行』だったのか。
三谷さんならむしろ『そして誰もいなくなった』の方が似合う気もするのですが。
(そして、そっちでもオールスターキャストは成立するのですが)
これは三谷さんからの、デビッド・スーシェ版に対する返答だったのではないでしょうか。
古典的ミステリを壮絶な問題作に変えてみせたスーシェ版は、
この作品に新しい光を当てて、異様な魅力を放っているのですが、
三谷さんは「原作に忠実にやったら、これって『忠臣蔵』だよね」
「古典には古典の愉しみ方があるよね」っていう解釈をしたんじゃないかと思います。
私の勝手な思い込みですが!
そして『忠臣蔵』であれば、討ち入りの前の話も見たいですよね。
だから第2夜で前日譚を描こうとなったのではないでしょうか。
私、当初は「語らないことで生み出されるイメージの豊穣さ」
(殺害シーンに5年間を凝縮させた映画版はやっぱり秀逸だったので)
について書こうと思っていたんですけど(つまり第2夜不要論)(^^;
上記のように考えると、すとんと納得できたのでした。
【追記1/14】
ちょっと言葉足らずですみません。
第2夜、面白かったし楽しかったんですよ!もちろん。
でも、蛇足かなあ、と思う面もあった、ということなんです。
語らない方が、より悲劇的なイメージだったような気がしたので。
だけど、上記のように考えると、三谷さんが作りたかった気持ちも
すごくよくわかるし、原作をすごく読み込んでいらっしゃることも
とても伝わってきました、ということが言いたかったんです(^^;
というわけで、今度は『そして誰もいなくなった』やってくれませんか三谷さんv
それも戯曲版ではなく原作バージョンで!
(戯曲を元にしたルネ・クレール監督作も、結構コミカルだったことですし)
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