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三谷幸喜版『アクロイド殺害事件』(少しネタバレ)

2018年04月14日 | ベーカー街界隈
ドラマ『黒井戸殺し』


                    Photo by Prei's Wind


今回もまた、大変面白かったです!

三谷さんもクリスティーも好きで、大泉洋も大好きな人間には、
3時間があっという間でした。

今だから言えるけど、公式サイトのコピーがすごく秀逸だったんですよ!(笑)
最初に見た時からずっとにやにやしておりました。
『オリエント急行殺人事件』の時も書きましたが、
原作もデビッド・スーシェのドラマもまったく知らないで観た人が羨ましいなあ!

いやむしろ、スーシェさんのより一層原作に忠実で、
素晴らしかったんじゃないかとさえ思いました。
カボチャが飛んでくるところも、最後の独白も、まさに原作通り。のはず。
(スーシェさんのは、なぜか最後が活劇になってしまっていて、
 脚色に苦労したんだろうなあ、と思ってしまったものでした…)

最後の真相解明の場面は、原作を読んでいたときも
「嘘でしょ!嘘でしょ!」と思いながら読んでいたのを思い出します。
夕暮れの光が部屋に差し込んで、逆光と陰影が美しく、
断罪の場面でありながら、叙情的で余韻があるなあと思いました。

【追記】
 ネット上の感想で、まさにこの「嘘でしょ」という読後感を映像で表現していた、
 と書かれていた方がいて、そうかー、キャスティングも演出もすべてその一点に
 向かって作られていたのかー、と改めてうなりました。すごい。

そして、2回目だからか、そばに大泉さんがいたからか、
野村萬斎さん演じる勝呂さんが、それほど奇異に感じませんでした。
「悪魔的」と評されたアルバート・フィニーのポワロに近い感じ。
そして大泉さんは、こういう役やらせるとホントにうまいなあ。

ほかの登場人物も個性的で存在感があって、とても楽しかった。
多くの『真田丸』勢に一人だけ『直虎』(常慶さんv)が混ざっていたり。
個人的には、藤井隆さんがよかったです。
「全然気付かなかった」って、ショック受けるのそこ?(笑)

もう二大作品つくっちゃったから、3作目はないでしょうか。
『葬儀を終えて』とかもいいとは思うのですが、ちょっと小粒ですよね…
『ナイルに死す』は「鬼怒川下り殺人事件」として言及されちゃったので、
映像化はなさそうです(^^;

それにしても、1926年にこれを書いた(しかもポワロもの長編3作目)
アガサ・クリスティーってただ者じゃないですね! と改めて思いました。
なぜ創作ノートが残っていないんだ!

コメント (9)
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