Con Gas, Sin Hielo

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「ドミノ」

2023年10月28日 23時32分43秒 | 映画(2023)
娘の育て方は親が決める。当然のこと。


なんだろう、このひさしぶりの映画を観た感は。

実際に映画館自体1か月以上足を運んでいなかったのであるが、それ以上に洋画のまとまった作品を味わいながら観る感じから遠ざかっていたのである。

主人公は、何者かに誘拐され今も行方不明となっている娘の消息を追い続けるローク刑事。しかしこの事件は単純な誘拐事件ではなかった。

誘拐の実行犯は既に逮捕されたが、誘拐した記憶がないと言い、娘の居場所についてもまったく知らない。かと思えば、ローク刑事が任務に当たっている中で起きた銀行強盗が狙っていた私書箱の中に、何故か娘のインスタント写真があった。

強盗犯をビルの屋上に追い詰めたローク刑事。しかし、あろうことか一緒に犯人を追っていたはずの刑事たちが自分の方へ銃口を向けてきた。この犯人は、人の心を操るHypnoticの使い手であったのだ。

ここから話は多重構造化していく。Hypnoticの力は、他者に現実とは異なる世界を見せて信じ込ませる。ローク刑事を裏切った刑事たちは、自分たちがローク刑事を殺す役割を担った世界を刷り込まれたのである。

自分が今いると思っている世界は本物か?疑いを持った瞬間に、周りの景色が崩れて違う現実が姿を現す。

視覚的にはかつての「インセプション」を思わせるようなダイナミックな展開が見られ、ストーリーでは誰が敵で誰が味方なのかが瞬く間に入れ替わり、果ては主人公のローク刑事でさえも一体どういう人物なのか分からなくなっていく。謎の空間を漂わせられるのが心地よい。

すべての鍵を握る娘・ミニーは、満を持してクライマックスに登場する。行方不明だった4年間を経て再会した父と娘。これだけでもカタルシスなのだが、すべての謎が解け決着の時が来る。この一連が「映画を観た感」だったのである。

娯楽要素が盛りだくさんの一方で、最近の作品にしては珍しく94分と上映時間が短めなのも好印象。邦題を"Hypnotic"から変えたのはいただけないが佳作であることに間違いない。

(85点)
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