Con Gas, Sin Hielo

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「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」

2023年12月02日 08時22分34秒 | 映画(2023)
なんか楽しそう。


TOHOシネマズすすきのがついにオープンした。記念すべき初の鑑賞に選んだのは、なぜか埼玉。

「翔んで埼玉」の前作を観たのはTOHOシネマズ錦糸町。少し違う空気の中で観たいという思いがあってプチ遠征をしたのだが、今回は埼玉でも、首都圏でも、本作の舞台の関西でもない第三国での鑑賞。

気になる観客の反応は、オープン初日にしてはやや寂しい客の入り。滋賀県では1日に20回を超える上映回数を設定する映画館があるらしいが、劇中でまったく扱いがない北日本だから温度差は仕方ないところか。

肝心の中身の方は、ざっくり言ってしまえば前作のネタを関西版に広げただけなのであるが、関西のアクの強さが本作の大げさでばかばかしい世界観と非常に相性が良いので、前宣伝に偽りなくスケールアップした出来映えになっていると言える。

また、現代パートとして、浦和VS大宮(と間で無視される与野)の綱引き大会という並行エピソードを用意。「埼玉も忘れていないよ」というしつらえ感が否めないが、どんな形でも取り上げられれば満更でもなくなり、本篇とつなげたオチ(子供の名前)も含めて良かったのではないかと思う。

話のあらすじはというと・・・(敢えて書くのもばかばかしい気がするが)。

前作の戦いの結果、通行手形なしで東京に入れるようになったまでは良かったが、いずれの土地も東京ばかりを向くようになり横の連携が取れなくなってしまった埼玉。その課題を克服するべく越谷に(レイクタウンではなく)海を作ろうと言い出したGACKT演じる麻実麗。

西の地に美しい海砂を持つ白浜という場所があると聞き、船で和歌山を目指すが、たどり着いた地で彼が目にしたのは、東京よりも恐ろしい「大阪」という存在であった。

関東と関西は常に比較される。中心地である東京と大阪はもちろん、ハイカラ、異国情緒、文明開化でつばぜり合いを繰り広げる横浜と神戸もライバルだし、千葉と和歌山は共に半島に位置し、勝浦のように被る地名も存在する。

その中で、今回埼玉の代わりにディスられる役割を担ったのは「滋賀」であった。距離で考えれば大阪と隣接する奈良か京都なのだろうけど、彼らは歴史的に別格なので、まあ滋賀がちょうど良いのだろうと。

ネタは、7割が琵琶湖、2割がとび太くん、残りが平和堂と鮒寿司と西川貴教というところ。この突き抜けない微妙さが結果として本作の舞台としてはぴったりであった。

というわけで内容は良くも悪くも相変わらず。いろいろディスりながら誰も不幸にならない持ち味も健在。それどころか、俳優陣がみんなこの茶番劇を楽しそうに演じているのが印象的であった。

今回、麻実麗の実質的なパートナーとなる滋賀解放戦線のリーダー・桔梗魁を演じたのは。彼女にコメディのイメージはあまりなかったが、GACKTと並び立つ画の良さも含めてハマっていた。

大阪府知事の片岡愛之助、神戸市長の藤原紀香ご夫妻は、世の中的には好感度がもう一つの感があるが、こうした振り切った役を演じることでその辺りは払拭できるのではないかと思った。

エンドロールの歌と漫才まで天下泰平の100分超。期間限定の十勝ポップコーンを傍らに観るにはぴったりの映画なのでありました。

(75点)
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