秋生のEtude

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靖国神社・遊就館

2016年11月13日 01時54分48秒 | えとせとら
先月某日・・・TVでしか見たことがなく、そしてなにかと政治がらみで取り上げられる、あの、靖国神社へ・・・思い切って行ってきました。
半世紀以上生きてきて、初めてです。
そして・・・おそらくもう死ぬまで行かないと思います。

九段下の駅を出て、いつもはそこへ向かうはずの日本武道館を横目で見ながら・・・
あら~こんなにもすぐそばだったんだ・・・
お、大きい~~~!!
その大鳥居の大きさに、とにかくびっくり!!
その巨大な鳥居をくぐり抜けて行くと、大村益次郎の像が(かなり高い位置に)
左手の大手水舎で、手を洗い口をすすいで第二鳥居をくぐり、大きな菊の御紋の付いた神門を通り、さらに中門鳥居をくぐって、拝殿へ。
ここに眠るすべての魂に〝どうぞ、安らかに”と祈りました。

・・・

そして、今回どうしても来たかった場所、遊就館へ。
游就館は、明治15年(1882年)に開館し、平成14年(2002年)に改修・増築工事が施されたそうです。
靖国神社に鎮まる英霊の遺書や遺品、貴重な史・資料が展示されています。
館内に入ると、まずドーンと玄関ホールに零式艦上戦闘機(零戦)とC56型31号機関車が。

大きい。

零戦は、映画やTVで見てはいるものの、実物はやっぱり大きかったです。ミーハーな私は、岡田くんが乗り込む姿を想像し、これを堀越二郎さんが作ったのかぁ・・・と
そして、2階へ上がり、順を追っていろいろ見学しました。
普通の博物館や美術館とは明らかに違う空気の中で、緊張しながら様々な展示品を観ましたが・・・明治維新~西南戦争、日清戦争~支那事変、あたりまでの、歴史の教科書で学んだ事件や人の名前を目にしているうちは、まだ冷静に見れたのですが、1階に降りて、大東亜戦争~くらいから少し胸が苦しくなってきました
展示されているものの質が今までとは違い、〝戦争”に関わるものだらけになってきて・・・
真珠湾攻撃の際の「トラトラトラ」の電文や、血染めの日章旗や・・・昭和天皇の玉音放送の全文なんて、初めて見ました。
そして、〝靖国の神々”と称した展示室へ足を踏み入れた時・・・そこに飾られた無数の遺影に本当に愕然としました。

リアル。

これは現実なんだと、思い知らされました。
もちろん、そこにある写真の方々はごく一部であって、本当に戦争で亡くなった方々の数はこんなものではない。
そこに一緒に展示されている遺品や遺書は、当時の思想からすれば当たり前に〝喜んで死んでいく”というものだったし、また親や妻や子に対する感謝だったり、残された家族への今後の心配だったり、読めば読むほど切なくて悲しいものばかり
恋人に送った若い特攻隊員の手紙や、80歳の奥さんが50年も前に出征した旦那さまへ宛てた恋文とか・・・読んでるうちに本当に涙が
きれいな花嫁人形が献上されている理由も、初めて知りました(年若くして、結婚もせずに死んでいった息子へ、ってことだったのね

そして、最後は大展示室です。
その広い場所へ入った瞬間、目の前に飛び込んできたのは、巨大な鉄の塊の先端部。
心臓がバクバク音を立て始めるのがわかりました。
・・・そう、今回この場所へ来たかった理由はこれが見たかったから。

人間魚雷「回天」

野田さんの舞台を観るまで、私はこの兵器についてよく知らなかった。(特攻というのは、=零戦のことだと思っていました。)
本物の「回天」は、想像以上でした。
黒く長く、本当に鉄の塊そのもので、まさに〝鉄の棺桶”(しかもそこに菊の御紋がついてるのが・・・)
こんなものにどうやって人が乗るのか、いや、入るのか・・・外から見る限りしっかりと溶接されていて、中を想像したら・・・大人の男性が一人乗り込んだら、身動きもできるまい、という感じでした。
ちょっと離れた場所に、少し大きさの違う「回天」の胴体部分が展示されていて、中をのぞいてみましたが・・・
真っ暗なその機体の内部は、閉塞感が半端なく、言いしれない恐怖を感じました。
「回天」の乗組員だという若い兵士の肉声が録音されていて、それも聴きました。
・・・本当に本当のことなんだと、実感しました。
こうして、ここに実物が存在し、それによって若い生命がいくつも散っていった、と思うと・・・この兵器の是非を語るつもりはありませんが、なんだか無性に恐ろしく悲しかったです。
そして、舞台の中で人魚の母が言ってた言葉を思い出しました。
「息子が誰だったか、私が忘れてしまうことよりも、私の息子があなたたちに忘れ去られること・・・それが悲しい」
・・・ああ、そうなんだ。
ここに、こんな様々の戦争の遺品が納められているわけは、〝忘れてはいけない”ことだから。

他にも、いろいろな展示物があり、ひとつひとつ観て周りましたが・・・
とにかく重々しい気分で見学を終え、気づいた時にはもう閉館時間の数分前で(全部観るのに2時間近くかかりました。)
緊張からか喉がカラカラで、最後は中にある甘味喫茶で一服して帰って来ました。






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