秋生のEtude

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『ミス・サイゴン』 2012 9/8(土) ソワレ

2012年09月12日 23時36分28秒 | 『ミス・サイゴン』
本当は、観る予定はありませんでした
ヘリコプターの飛ばない『ミスサ』なんてなぁと。
でも、新しい映像演出がなかなのものだと聞いて、ちょっと興味が
とはいえ、まったく観る気がなかったので・・・ありゃりゃ・・♪行くにゃ、ビザ(チケット)がない~~っ!!
でーーーーー、空からチケットが降ってこないかと、何日か、雨乞いもどきの日々を過ごしていましたが・・・わ~~い!降ってきたっ!!
というわけで、マチソワという強行スケジュールを組んでしまいました


『ミス・サイゴン』 2012.9.8(土) 17:00開演 青山劇場


エンジニア    市村正親
キム       新妻聖子
クリス      原田優一
ジョン      上原理生
エレン      木村花代
トゥイ      泉見洋平
ジジ       池谷祐子
タム       加藤憲史郎


新演出、ということでいろいろ変わってました。
ヘリコプターのプロペラ音、爆音が激しく、キムはエンジニアに助けられ、店に連れていかれる・・・
“ドリームランド”はカウンターのある、前よりちょっと小じんまりした店になってましたが、店の女の子たちはもう衣装からエロ過ぎ!?そして、GIたちとくり広げる“営業”もかなり激しく(?)目のやり場が・・・
以前は違う人が66番を引き当ててたはずだけど・・・ジョンですか
・・・と細かく書いているとどうにも進めないのだけど、とにかくセットが変わっただけでも、前とはちょっと違った印象でした。
キムとクリスが一晩過ごす部屋は店の2階という設定で(これって、席によっては見切れちゃうかも)がばっとシャツを脱ぐクリスに、意を決したようにドレスを脱ぐキム・・・ベットになだれ込む二人が、なんだかリアルで痛々しい。
・・・恋とか、夢とか、そういうロマンチックな感じじゃなくて、キムの“生きるため”って切迫した感じとクリスの“なにもかも忘れたい”って感じから始まるところが・・・うわーーーっ。なんだか今までと違う。
その後、キムの激し過ぎる“身の上話”を聞いたクリスはキムに「一緒に暮らそう」と告げ、一気に「Sun and Moon」で盛り上がるのだけど・・・
ここの階段プレイ(プレイ言うな)は、私的にはあんまり・・・
キムの♪紙のドラゴン(あれ?ユニコーンじゃない)飾るわ、いいかしら?・・・あの一連のくだりは、ベッドの中で甘く囁くように戯れながらだからいいのに!!っと思ってしまった・・・

他にも、舞台の両脇に作ったセットや奥行きのある映像が、より場面を凝縮したそれぞれのリアリティを放っていて、より濃密な、具体的というか、より現実味を増した・・・うまく言えないけど・・・今まで以上に“夢物語じゃない『ミス・サイゴン』”を観た気になりました。
衣装も、最初キム柄もののアオザイ、難民キャンプでは薄汚れた青いシャツにズボン。(いかにも当時の難民が着てそうなもの)

心配だったヘリコプター映像は、思ったより迫力があって旋回して着陸するところや、兵士が次々に乗りこんでいく様とか、うまく合致していて違和感がなかったです。(私の席が後方センターだったからかも?)
ホーチミン像は頭だけになってたけど、その時のドラゴンダンスの演出がすごい!!
爆竹が鳴り渡り、ドラゴンが蛇の舞(?)鼻から煙を吹き出し、ダンサーのバク転も満載。とにかく派手でアクロバティング!!
一番、印象に残ったのは1幕ラストかな。真っ赤な夕陽の映像がすごく効果的で美しかった。


キャストに関しては、全く自分チョイスではなかったけれど、それぞれとてもよかったです。
キム/聖子ちゃん
小柄なのでちゃんとベトナムの女の子に見える。歌はやっぱりダントツに上手かったです。そして・・・なんかすっごく激しい(?)(前もこんなに絶叫してたっけ?)
↑に書いたように、キムの必死さがひしひし伝わってきて、怖いくらい
クリスを愛すること=タムを愛すること。キムはタムを見ながらその中にクリスを見ている。タムは愛する息子であると同時に、愛するクリスの愛の形見だから。
2幕の、タムをクリスに渡す直前の♪ママは行けないけど~で、涙腺崩壊・・・

クリス/原田くん
すごく大人っぽくなっててびっくり!!
歌声は美しいまま、でもすごく逞しく男っぽくなって。
真面目な性格だからこそ悩み、キムを救えなかったことで自責の念にかられて崩壊しかけるのもよくわかった。
・・・でもね。エレンにキムの事を打ち明けながら、あのまるで“逆ギレ”のようなあの場面は激しすぎて・・・だから?なに?キムを捨てるというの?タムを本当に受け入れる気はあるの?キムに同じことを言えるの?
そうやって女の一人も救えなかったくせに別の女にすがるのね・・・といつになく責めたくなってしまった・・・(これは、原田くんの演技力のせいか?)

ジョン/上原くん
やっと“お父さん”でも“上司”でもない、“親友”に見えるジョンに会えた気がします
冒頭のジジに対する行動とか見てると・・・ジョンも結構ひどい男だと思える。キムをクリスに“奢る”のもある意味、女を人としてなんか見てないよね
それなのに2幕では、すごーーく物分かりがよくていい人になってて・・・ベトナムから、クリスは病んで帰ってきたけど、ジョンは大人になっていろいろ悟って帰ってきたのか?
「ブイドイ」は、上原くんの雄々しい歌声がたくましく美しく・・・満足でした。

エレン/木村さん
四季時代の最後に観たのは確か『夢醒め』・・・きれいな歌声でした。
今回エレンの歌が新しく追加されていて、エレンの心情がよりはっきりとわかります。
エレンって、本当はどっこも悪くない善良な妻なのよね。結婚した相手の過去なんて本当は知りたくないだろうし、キムに会った時もかなり冷静にふるまうけれど、ある意味、気の毒なのはエレンの方だよね・・・

ジジ/池谷さん
前回、どうしてもお目にかかれなかったジジ。
低めのお声がなかなかセクシーで「我が心の夢」は悲哀と絶望感にあふれてました。
キムの歌う♪夢があるのよ、果てない夢が~と、ジジの歌う♪見せてよ~夢~は、同じではないけれど、慣れないキムを庇うように、そこにいるジジが切ない。

トゥイ/泉見くん
まず、もう一度会えたことがうれしい!!(実は、クリスよりキムより“泉見くんのトゥイ”が好き
3年もの月日をかけてキムを探し続け、やっと会えたキムに本当にうれしそうに微笑みかけるトゥイ。
暴力で痛めつけても、それは愛ゆえ。タムを殺してでもキムを手に入れたいトゥイの想いの激しさ。
結果として、その愛するキムに撃たれて息絶えるトゥイ・・・なのに最期まで手をのばしキムを求めるトゥイの想いは死んでもなお消えない。夜ごと亡霊となって現れるトゥイ。
キムのことをずっと愛していたのは、実はトゥイの方だと思います。
けれど、トゥイはベトコン・・・つまり戦争を嫌うキムにとっては、戦争を始めた男で、それに引き替えクリスはそのつらい戦争からキムを救ってくれた男だったんだ・・・

エンジニア/市村さん
はぁ~~~何度観ても、何年経って観ても、やっぱりこのエンジニアとしての存在感は健在!!
ずる賢くて調子がよくてギラギラと野望に満ちていて、そのくせすごく哀愁があって。
「アメリカンドリーム」は、スクリーン映像が多用されていて、かなり派手派手で、あの白いキャデラックが以前と同じように出てきてくれたのはうれしかった!!
どんなに強く望んでも、アメリカには行けないエンジニア。
キムとタムをパスポート代わりにともくろむけれど、それなりに二人には感情移入しているようで、ラストシーンでキムの死のショックをぶつけるかのようにジョンにくってかかるエンジニアの憤りが切なかった・・・


タムは偶然にも加藤清史郎くんの弟・憲史郎くんでした。
「命をあげよう」で、以前はスケッチブックのようなものにお絵かきしてたけど、今回はなにか袋を破いて広げたような紙の裏にお絵かきしてました。
・・・こんな些細なところもリアルだったな



4年ぶりに観た『ミス・サイゴン』はーーー
新演出で、よりリアルな印象を受けました。同時に以前とは違った見方も

それでもやっぱりなんといっても、楽曲の素晴らしさに感動しました。
暗く哀しい結末は、いろいろな想いが交錯して決して晴れやかな気分にはなれませんが、やはりすばらしいミュージカルだと、またまた再認識しました。




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